デザイナーが創る地域活性化 「COGITEコギト」

デザイナーが創る地域活性化

 

バルセロナから戻り、今後の方向性を模索していた時、前に勤務していた事務所の先輩から、家を建てる施主さんを紹介された。一軒目は先輩の紹介で一般住宅を手がけることに。そんなところから建築設計事務所COGITE(コギト)は始まった。

 

その時建てた家はオープンハウスにし、見学会を開催。1日で120人という、予想を遙かに上回る来客に駐車場の準備もないため、施主さんにはたいへんな迷惑をかけた。それを理由に、今は有料としている。


完成した家は、東京の建築写真家・大竹静市郎氏に撮影をお願いし、それが雑誌「男の隠れ家」でも紹介された。CGソフト・フォトショップやイラストレータが使えなかった当時、設計図用のCADソフトベクターワークスを使い、その写真を載せてちらしを作った。建てた家をオープンハウスにしたり、おしゃれなカフェやインテリアショップなどに手づくりのちらしを置かせてもらい、自身の事務所のPRに努めた。


しかし、その後の依頼はなかった。

 

2001年に独立。当時住んでいたアパートを自宅兼事務所にし、すぐにHPを開設したが「どうやって施主さんを獲得すればいいのだろう」。営業のやり方を全く知らなかった蒲牟田さん。


図書館に行き、インテリアや建築の雑誌にしおり替わりに、わざと名刺を入れて回った。「ヘリコプターが5万円で借りられることを知って、それでチラシをまこうかとさえ思った」と。これらの発想もたいへんユニークであるがポスティングという方法は思いつかなかったのかと尋ねると、笑いながらその発想はなかったと・・・(笑)。


建築設計の仕事だけでは生活費が賄えず、いろいろなバイトをした。夜の10時から朝の5時までのバイトは一年間続いた。2年目にして、ようやく2件目の依頼があり、それがGOOD DESIGN賞を獲得。地元の新聞でも取り上げられ、「ホームページを見ました」と3件目の依頼が。今では、およそ90%がホームページからの依頼だという。

 

 

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(文:KEIKO YANO (矢野 恵子)  /  更新日:2011.05.17)

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