【インタビュー】 世界に挑戦し続ける日本企業「maruni」マルニ

世界に挑戦し続ける日本企業「maruni」

 

去る2013年5月15日にマルニ木工東京ショールームでは、ミラノサローネ2013で好評を博した「MARUNI COLLECTION」の新作発表会レセプションパーティが開催されました。

2008年に発表した「MARUNI COLLECTION」は、2009年から連続でミラノサローネ本会場(ローフィエラ)に出展し、今年は初めての単独出展でした。

 

 

会場には、デザイナーの深澤直人氏、ジャスパー・モリソン氏が駆けつけての新作発表会レセプションパーティ。まずはじめに株式会社マルニ木工の代表取締役社長 山中武さんのあいさつです。このとき驚きの数字がつぎつぎと発表されました。パーティに集まった来場者からはその数字に感嘆の声が飛び交っていました。それでは来場者たちを感嘆させた数字とはいったいどんな数字だったのでしょう?

「世界に挑戦し続ける日本企業」と題し、これを実行されている日本のインテリア業界メーカートップの方々に、世界に挑戦することの難しさ、それでも挑戦し続ける原動力とは何なのかを、シリーズでお伝えしています。第2回目は株式会社マルニ木工の代表取締役社長 山中武さんにお話をお聞きしました。


昭和3年創業~曲木椅子第一号

 

 

車も家電製品も当たり前のように日本のブランドが世界で確立されています。プロ野球選手もサッカー選手も、そしてお付き合いのある建築家もデザイナーも当たり前のように世界で活躍されています。しかし、日本の家具メーカーの中に、世界でブランドを確立している会社は一社もありません。「それはワシらの仕事じゃろ」、「うちらしか出来んじゃろ」そう本気で考える私たちに、みなさまのお力添えをいただき、共に歩ませていただければ幸いです。

マルニ木工のホームページにはこのような文面のページがあります。


1928年創業の当社では「100年経っても『世界の定番』として認められる木工家具を作り続ける」こんな言葉を掲げて仕事に取り組んでいます。

昭和3年「昭和曲木工場」と命名して曲木椅子第一号を完成させたところから始まった株式会社マルニ木工。創業者は宮島で生まれ、床と畳しかなかった日本の住宅文化のレベルを高めたいという志をもって「工芸の工業化」というモットーを掲げ、創業しました。戦中は高度な精度が求められる戦闘機の尾翼を木で生産したりもしました。戦後は、富裕層向けのヨーロッパ調クラシック家具を中心に家具のメーカーとして躍進していきます。

 

 

1960年代には、より高度な木工加工を表現するために加工機械を独自に開発し、彫刻入りの家具の工業化に成功しました。そして昭和43年に発売した「ベルサイユ」シリーズが大ヒットします。

「ベルサイユ」は洋家具史上空前のベストセラー商品になりました。

ベルサイユ

時は日本の高度成長期。食べていくのがやっという戦後復興の時代は終わりを告げ、焼け野原だった場所に新築の家々は立ち並び、人々が少しずつ豊かさを求め始めた時代です。日本人が一番輝いていた時代かもしれません。そのころ、人々の憧れの生活は欧米のライフスタイルでした。

マルニ木工はその後も順調に売上を伸ばしていきます。

 

 


  マルニ木工 HP
  http://www.maruni.com/jp/

 

 

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(文:KEIKO YANO (矢野 恵子)  /  更新日:2013.08.12)

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