デザイナーが創る地域活性化 「COGITEコギト」

デザイナーズインタビューコギト

 

著名な建築・インテリアデザイン事務所のほとんどが東京に集中している。経済の中心が首都東京だからビジネス展開もやりやすい。地方にくらべると案件が頻繁に入り仕事が多い。だから安定した幸せな暮らしが保証されている。

本当にそうなのだろうか?はたして地方では充実した仕事は得られないのだろうか?

今回から、地域で活躍するデザイナー・アーティストたちを通して、真の豊かさを考えて行きたい。

 

 

宮崎の建築家、蒲牟田(かまむた)健作さん。九州・宮崎という地方都市ながら、全国各地の建築設計を手がけ、その仕事は雑誌にも掲載。海外からの依頼も舞い込み、いま注目を集める建築設計事務所COGITE(コギト)を主宰している。
COGITE(コギト)の意味は、ラテン語で「思考する」の意味。デカルトの著名なフレーズ、「cogite ergo sum(我思う故に我あり)」から取った言葉だ。

 

蒲牟田健作さんは、宮崎県にある都城工業高等専門学校の建築学科を卒業。就職活動は、合計13社に及んだ。すべてに履歴書を送ったが、返事がきたのはたった2社だけ。それも不採用の返信である。はじめから、東京など都会へのこだわりはなかったとはいえ、それでも全国の名だたる設計事務に片っ端から応募した。
だが、現実はきびしかった。そこで、地元への就職にシフトチェンジし、母校講師の紹介で医療系の空間デザインをしていた会社に勤務。そのデザイン事務所が手がけるデザインも悪くはなかった。「宮崎にもこんな事務所があるのか」と、蒲牟田さん。事務所での勤務は、5年半続いた。

 

「一か月の休みをとってのバルセロナにいきたい」その希望を叶えるために事務所を退職。バルセロナでは見るもの、食べるものすべてが新鮮で刺激的だった。蒲牟田さんは「バルセロナは、ガウディをどう思うか(好きかきらいか)というより、ガウディの建築がそこにあるのが自然な都市だった」と。

 

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(文:KEIKO YANO (矢野 恵子)  /  更新日:2011.05.17)

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