企画展「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」開催

 

 


21_21 DESIGN SIGHT 企画展
「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」

 

 

21_21 DESIGN SIGHTでは2018年11月2日(金) 〜 2019年2月24日(日)まで、プロダクトデザイナーの深澤直人ディレクションによる「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」を開催します。


1925年、民衆の用いる日常品の美に着目した柳 宗悦(1889-1961)が、無名の職人たちによる民衆的工芸を初めて『民藝』と名づけました。民藝の特徴でもある風土や風習を生かしたものづくりは、世代を超えて受け継がれていくなかで、素材、色、工程、用途、形などの独自性が際立ち、革新的で衝動的な、枠に捉われない創意工夫へと発展していきました。地域ごとの特色が失われ、ものへの愛着が希薄になりがちな時代だからこそ、民藝に宿る無垢な美意識と精神性は、使い手のみならずものづくりに携わるすべ ての人々に大きな衝撃を与え、新しいエネルギーを生み出すきっかけとなるのではないでしょうか。


本展では、21_21 DESIGN SIGHTディレクターでもあり、日本民藝館館長を務める深澤直人が、同館の所蔵品を中心に、新旧さまざまな100点余りの民藝を選び抜き、紹介します。また、撮り下ろしインタビューや制作現場の映像、民藝の新たな表情を映し出す写真、日本民藝館設立時の貴重な資料などの多彩な展示を 通して、これからのデザインのインスピレーションとなる「Another Kind of Art =民藝」を紐解いていきます。

 


 

 

|  ディレクターズ・メッセージ

無垢なものづくりの態度にくぎ付けになる。

芸術家でも職人でもない人の無我な手から生み出されたものには、えも言われぬ魅力が潜んでいる。

「私は、ラファエルのように描くのに4年かかった。しかし、子どものように描くためには一生かかるだろう」と語ったパブロ・ピカソ。これは柳 宗悦に同じく、ひたむきな心が創作に与える純粋性を評した言葉だ。

95歳の現在でも意欲的に活動を続ける柚木沙弥郎から「僕が求めるのは、染色家という肩書きや民藝というカテゴリーじゃない。『Another Kind of Art』なんだ」という言葉を聞いたとき、私は思わずハッとした。柳が提唱した「民藝」も、実はそのものづくりに携わる人々の生き方を示しているのではないだろうか。

実直な創作者たちは、とかくカテゴライズされることを嫌う。型にはめられそうになると、思わずそこからはみ出したくなってしまう。形式や様式にしばられ ない飄々とした態度。一定の仕上がりを求めない自由さが民藝にはある。

私たちは民藝を愛し、尊敬し、民藝に心を動かされる。作者が誰かとか、いつどこでつくられたのかとかいった情報は必要ない。ただ純粋にその魅力にくぎ付けになる。「 これはヤバイ 」と。

深澤直人

 

 

 

 

|  展覧会ディレクター


深澤直人
卓越した造形美とシンプルに徹したデザインで、国内外の大手メーカーのデザインとコンサルティングを多数手がける。電子精密機器から家具、インテリアに至るまで手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。デザインのみならず、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。英国 王室芸術協会の称号を授与されるなど受賞歴多数。2018年、米ニューヨークのノグチ美術館(The Noguchi Museum)が創設した第5回「イサム・ノグチ賞」を受賞。多摩美術大学教授。日本民藝館館長。

 

 

 

 

|  展覧内容


展示作品を選ぶ深澤直人(撮影:岡本憲昭)

 


 


展示作品選定風景(撮影:岡本憲昭)

 

 



火鉢 出雲大津(島根県) 昭和時代 1940年代 〈日本民藝館蔵〉

 


 


岩七輪 阿仁合(秋田県) 昭和時代 1930年代 〈日本民藝館蔵〉





火鉢 朝鮮半島 朝鮮時代 19世紀 〈日本民藝館蔵〉

 


 


朱漆酒器 琉球王朝時代 19世紀 〈日本民藝館蔵〉

 


 


厨子 駿河(静岡県) 江戸時代 19世紀 〈日本民藝館蔵〉

 


 


白磁燭台 薩摩 平佐(鹿児島県) 江戸時代 19世紀 〈日本民藝館蔵〉

 


 


染付網目文角皿 中国 景徳鎮窯 明時代 17世紀 〈日本民藝館蔵〉

 


 


菱刺たっつけ 南部地方(青森県) 大正時代頃 20世紀前半 〈日本民藝館蔵〉

 

 



羅漢像 朝鮮半島 朝鮮時代 〈日本民藝館蔵〉

 

 

 

 


【開催概要】

21_21 DESIGN SIGHT 企画展
「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」
会期:2018年11月2日(金) 〜 2019年2月24日(日)
休館日:火曜日(12月25日は開館)、年末年始(12月26日〜1月3日) 
開館時間:10:00〜19:00(入場は18:30まで)
入館料:一般 1,100円、大学生 800円、高校生 500円、中学生以下無料
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー 1&2
東京都港区赤坂 9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン    →   MAP
tel:03-3475-2121
http://www.2121designsight.jp

アクセス:都営地下鉄大江戸線「六本木」駅 東京メトロ日比谷線「六本木」駅
東京メトロ千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分
主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
特別協賛:三井不動産株式会社
展覧会ディレクター:深澤直人
特別協力:日本民藝館
展覧会グラフィック:TSDO
テキスト:猪飼尚司
会場構成:中原崇志
会場グラフィック:飯田将平
映像:岡本憲昭
コーディネーション:夏目康子
21_21 DESIGN SIGHT ディレクター:三宅一生、佐藤 卓、深澤直人
アソシエイトディレクター:川上典李子
プログラム・ディレクター:前村達也

 

 

 


21_21 DESIGN SIGHT
東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
TEL: 03-3475-2121
http://www.2121designsight.jp/

 

(文:21_21 DESIGN SIGHT  /  更新日:2018.09.29)

この記事へのメンバーの評価

  
  • まだコメントがありません。

バックナンバー

Knowledge and Skill

Group Site

ページトップへ