【コラム】旅が日常生活の一部になった!「モノからコトへ」がリアルに社会を動かす

 

旅が日常生活の一部になったコトで
「モノからコトへ」をリアルに社会を動かす
アジアミレニアル世代のパワー

 

 

 

「人はスペックや機能ではなく、モノが実現してくれるコトの豊かさや満足度で商品やサービスを選ぶようになった」と言われて消費がモノからコトへと移って久しいです。

「コト」や「体験」を売る例としては、例えば、ビデオカメラは、録画時間などのスペックを売るのではなく、「運動会をビデオに撮ろう」というメッセージのテレビCMを打ち出し、父親が我が子の活躍を動画として一生残す「コト」を売りました。他にも、ワゴンカーは「ものより思い出」というコピーを使い、親の目線で、子どもと旅行に出かけて、いろんなことを感じて欲しい、という「体験」を売りました。

モノが売れる構造は大きく変化しています。大量のモノや情報が溢れる現在、もはやその価値は消費者の心には簡単に響かなくなりました。インターネットがまだ浸透しておらず企業主導でモノが売れていた時代と異なり、機能やスペックで差がないモノのブランドや商品の価値を決めるのは消費者です。徹底した生活者目線でモノが売れる時代です。消費者は溢れる情報を瞬時に判断して、自分の感覚に合わないもの、興味のないものはスルーして、自分の感覚やセンスと合うメディアやSNSなどで互いに体験や経験を発信して周りから共感されることで、価値を形成しています。

この「モノからコトへ」のCMから20年。人々のライフスタイルは自宅で過ごすだけでなく、より生活を豊かにするために様々に領域が広がってきています。

 

 

| 旅が日常生活の一部になった~海外旅行は世界的にブーム

お金は趣味や経験のために使う時代です。コト消費は国内市場だけでなく、訪日外国人によるインバウンド市場でも注目されています。2018年4月として過去最高を記録し年内に3000万に大手をかけた訪日外国人数。実は海外旅行は世界的にブームで、日本のみならず多くの国で外国人観光客数が増加傾向にあり13億人の人々が海外旅行をしています。ですが欧米の観光地の伸び率が頭打ちに比べ、訪日外国人観光客数は毎月伸びており、世界的な海外旅行ブームにうまく乗ってこれからも大きく伸びるのが日本のインバウンド市場です。

現在、旅先での生活をどのように体験するかに関心が集まっています。広告の世界で久しく言われていた「モノからコトへ」が、旅が日常生活の一部になったことで、いままさにリアルに社会を動かしつつあります。

 

 

|  新しい提案で話題を集める日本の宿泊施設

そんな中、ライフスタイルホテル、ブティックホテル、デザイナーズホテルとも呼ばれているホテルが人気です。宿泊単価も3,000円~25,000円くらいと幅広く、既存のラグジュアリーホテルやビジネスホテルと違って、フロントやロビー、ラウンジの隔たりがなく、開放的で居心地の良い空間に遊び心、グラフィックアートが施され、いつでもだれでもウエルカムしてくれるのが特徴です。その他、日本には昔からの旅館や民宿などもあり、その流れで町家や古民家リノベーション簡易型宿泊施設も人気とか。ロボット、カプセル、コワーキングスペース、本屋併設など、運営にはホテル業界の経験がない異業種からの参入した企業も多く、ユニークで新しい提案の日本の宿泊施設が各地で話題を集めています。

自国の雑誌では「陶磁器めぐり旅」や「美術館めぐり旅」「日本の祭旅」などが紹介され、単に観光地めぐりだけではなく日本のライフスタイル体感旅も人気を集めています。いままさにそれを求めて日本全国がインバウンド市場化しています。


 

 

| ダイナミックに変わりつつあるアジアの新興国。その牽引するのがミレニアル世代。

アジア各国では国内外の企業で高収入を得るミレニアル世代が増加しています。日本のゆとり世代の希薄な物欲に比べ、アジアミレニアル世代はまだまだいい車やいい時計、いい住まいの物欲は強いとは思いますが、大量消費社会、成長社会が世界的に陰りを見せつつある今、アジアミレニアル世代のニーズも「モノの豊かさから心の豊かさに変わった」ようです。

旅の体験としてとても重要な役割を果たす宿泊施設。そこでのアジアミレニアル世代インフルエンサーたちの体験発信が熱いです。彼らは日本のゲームやアニメ、マンガで育った世代です。日本にやってきた目的がTVドラマやアニメ、マンガで観た場所や食べ物での体験。アジアミレニアル世代たちは次々にあこがれの新しいコトをしながらSNSで情報を発信します。そして彼らからの発信こそが莫大な消費に繋がります。

※ ミレニアル世代: 1980年-2004年頃に生まれた人々
※世間に与える影響力が大きい行動を行う人物のこと

 

 

| 旅を通じて大きく広がるコト消費

かれらが喜ぶコトがわからないと考える企業の方々も多いようですが、それはなにもすべてを彼らに合わせる必要はありません。迎える日本人はかつて自分たちが欧米のライフスタイルにあこがれて旅した気持ちを思い出せばいいのです。かれらの体験が良い思い出になるようちょっとした配慮をすればいいのです。言語別のパンフレットを用意し宗教やその国のことを勉強して知ることが大切なだけです。彼らは日本を体験したいのでそれだけで十分なはずです。自国に戻った人々は旅先で食した物やライフスタイルを恋しがり経験したコトをまた実現したくなります。旅を通じて日本のコト消費は大きく広がります。
 

経済的にも自立して様々なコト=体験消費を重視しているミレニアル世代の旅の日常化はこれから大きく世界の経済を牽引していきそうです。

 

 

 

 

(文:KEIKO YANO (矢野 恵子)  /  更新日:2018.06.25)

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