20世紀を代表する椅子のデザイン一覧 Vol.11

 

20世紀のデザイン史は、伝統の再生や新しい発見を繰り返し、文化と日常生活の中で多様化して来た。常に変化する消費者の好み、商業的優先順位、生産技術の発展などに対応しながら空間提案・デザインを形作られた。
現代の生活に適応する多くの「20世紀の名作椅子」の代表作を年代順に辿ってみよう。

 

戦後、日本の住宅に洋間が作られ、建築家や家具デザイナーが日本人の生活スタイルに合う椅子を制作し始めた。東京タワーが作られ、57年GOOD DESIGNのGマーク選定が始まり「よいデザイン」を選び人々の暮らしを豊かにするため、61年には若い才能を発掘する国際デザインコンペが開始された。デザイン産業が注目された時代である。

 

 

 

 

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ホテル・ニュージャパンのロビー用にデザインされたラウンジチェア。籐を編みこんでいく手仕事で作成され、座る人を包んでいくようなデザイン。360度どこから見ても美しい椅子で、日本の家具としては初めてMoMA(ニューヨーク近代美術館)の永久コレクションとして選定された。
多摩美術大学教授、インテリア・プロダクトデザイナー。第2次世界大戦後の日本にジャパニーズ・モダンの礎を創った。

 

 

 

 

他作品:「籐丸椅子」(1960年)/「柏戸チェア」(1961年)/「スタッキングスツール」(1958年)

 

 

 

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座面や背もたれを大きめに取り、ゆったりと座れる。座高29センチ、脚部の接地面を大きくとることで畳が痛まない配慮をした、和室で使える椅子。坂倉準三建築研究所時代にデザインされたロングセラーの椅子で、ダイニングチェア(小椅子)とともに、背もたれや座面の形は、柿の形からヒントを得た。

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他作品:「ダイニングチェア」(1953年)

 

 

 

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コロナチェアの美しいフォルムは、日食の形を撮影したときの太陽の軌跡で表現したと言われており、ばね鋼素材のフレームと同心円形の美しい曲線のクッションで構成されている。現在の形のコロナチェアは、木製ベースの「ピラミッドチェア」からスチールフレームに改良された。
ハンス・オルセン家具製作工場の家具職人の後、The School of Arts and Craftsを卒業。後に教鞭 を執り、デザイナーの育成に尽力し、多くの影響を与えた。

 

 

 

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スツールだがサイドテーブルにもでき、積み重ねて使える。1960年第1回天童木工家具デザインコンクールで入賞し、商品化された椅子。67年にMoMA(ニューヨーク近代美術館)の永久コレクションとして選定された。
3枚の同じ形の成形合板を釘を使わず組み合わせて製作し、どの面を上にしても水平になる様に作られている。デザイナー田辺麗子の旧姓で「ムライスツール」。

 

 

 

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ボールチェア(別名:グローブチェア)は、1966年のケルン国際家具フェアで公に発表された。FRPで成型されたスペースは、居心地の良い個室にいるような自分だけの空間を作れる椅子。座をウレタンファブリック、脚部をアルミのダイキャストで支えている。
エーロ・アールニオ は、型にとらわれない「自由な創造性」で、ポップな作品やデザインを生み出している。

 

 

 

 

他作品:「ポニー」(1966年)/「バブルチェア」(1968年)/「パスティルチェア」(1967年)

 

 

 

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ナラ成形合板の座枠に13本のスポークを差し込み、笠木にまとめられており、座の形は楕円の広いクッションが前に張り込まれている。別名「あぐら椅子」とよばれ、畳の上で素足で座り床に座った人と違和感なく会話できる座の高さなど、日本人の生活に合った椅子は、西洋のマネではない日本人のための椅子。

 

 

 

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ウイングバックチェアは、元々は18世紀のロココ様式時代からのイギリス伝統様式の椅子で、1939年からボーエ・モーエンセンがリ・デザインしてきた。高い背もたれで体を包み込み体が吸い込まれる、ハイバックチェアの最高傑作と言われる今のカタチにまで、何度も修正が施されたのが、「2204 ウイングバックチェア」。

 

 

 

 

他作品: ハンチィングチェア(1950年)/ スパニッシュチェア(1959年)/ ウィングバックチェア(1963年)

 

 

(文:小竹 みちえ  /  更新日:2017.01.04)

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