【レポート】「the CONSTRUCTOR ジャン・プルーヴェ 組立と解体のデザイン」展

 


s-BCCハウス_外観. 会場:フランス大使公邸 
(c) Contemporary Art Foundation and Galerie Patrick Seguin Photo by Kaori Nishida

 

 

3日間900名限定イベント 予約開始直後に定員が埋まったほど人気の
プレハブ建築『F 8x8 BCC 組立住宅 1941年』 を日本初公開 

 

 

ファッションショッピングサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営する株式会社スタートトゥデイ代表取締役の前澤友作が会長を務める、公益財団法人現代芸術振興財団は、2016年10月22日(土)・23日(日)・24日(月)の3日間にわたり、「the CONSTRUCTOR ジャン・プルーヴェ:組立と解体のデザイン」展を、フランス大使公邸にて開催しました。展覧会のチケットは予定の700枚と追加の200枚がいずれも予約開始後わずかな時間で埋まり、話題の展覧会となりました。 

 

構想から三年を経て実現したという本展覧会は、ジャン・プルーヴェの代表作「スタンダード・チェア」や「シテ」シリーズを始めとしたアイコニックなチェアやテーブルなど、約80点もの作品が展示されました。プルーヴェの展示会としては国内過去最大級であり、中でも来場者の注目を集めたのが、日本初披露となった『F 8x8 BCC 組立住宅』でした。 

 


F 8x8 BCC 組立住宅_1941年
(c) Contemporary Art Foundation and Galerie Patrick Seguin Photo by Kaori Nishida
 

 

本作品は大使公邸の中庭にセルフビルドで建設されました。公邸内には組立住宅が建てられていく映像も上映されており、機材に頼ることなく手作業で効率的に建設されていくセルフビルドの過程を理解することができ、さらには実際に建物の中に入って鑑賞できたため、組立住宅の空間そのものや中に配置される家具のデザイン的な美しさを間近に体験することができる贅沢が、この展覧会の魅力のひとつとなりました。 

 

 

 


F 8x8 BCC 組立住宅(内部イメージ)_1941年
(c) Contemporary Art Foundation and Galerie Patrick Seguin Photo by Kaori Nishida
 

 

 『F 8x8 BCC 組立住宅』 は、ピエール・ジャンヌレと共に制作されており、1939年に着手した一連のプロジェクトの中の1つとされ、コンパス状の支柱を使用した構造原理を中心としています。1941年から43年の間、厳しい戦時下において制作されたこれらの小さな建物はすべてが木造であり、今日現存するものは数少なく、非常に希少な作品とされています。本作は困難な状況においても臨機応変に対応することができる両者の類希な力量を反映すると同時に、建築家と建築家といった二つの輝かしい才能を引き合わせた協働作業の産物と言えるまさに貴重な作品です。 

 


s-展示室1_2
(c) Contemporary Art Foundation and Galerie Patrick Seguin Photo by Kaori Nishida
 

 


s-展示室2_1
(c) Contemporary Art Foundation and Galerie Patrick Seguin Photo by Kaori Nishida
 

 


メトロポール№305_1953年頃
(c) Contemporary Art Foundation and Galerie Patrick Seguin Photo by Kaori Nishida
 

 

 

 


ゲリドン”カフェテリア”組立_1951年
(c) Contemporary Art Foundation and Galerie Patrick Seguin Photo by Kaori Nishida
 

 


木製組立チェア_1947年
(c) Contemporary Art Foundation and Galerie Patrick Seguin Photo by Kaori Nishida
 

 

 

 


テーブルBCC_1941年
(c) Contemporary Art Foundation and Galerie Patrick Seguin Photo by Kaori Nishida
 

 


トラペーズ・テーブル_1956年
(c) Contemporary Art Foundation and Galerie Patrick Seguin Photo by Kaori Nishida
 

 


フラヴィニー№504_1951年
(c) Contemporary Art Foundation and Galerie Patrick Seguin Photo by Kaori Nishida
 

 


ベッド№102_1936年
(c) Contemporary Art Foundation and Galerie Patrick Seguin Photo by Kaori Nishida
 

 


マンス照明_ 1952年
(c) Contemporary Art Foundation and Galerie Patrick Seguin Photo by Kaori Nishida

 

 

 

 

【ジャン・プルーヴェとは】 

 ジャン・プルーヴェは、20世紀を代表するデザイナー/建築家。ル・コルビュジエら同時代を生きた芸術家たちの賞賛を集め、ノーマン・フォスターやレンゾ・ピアノら戦後の芸術家にも影響を与えました。1901年、パリに生まれたジャン・プルーヴェは、アール・ヌーヴォの一派であるナンシー派を率いたヴィクトール・プルーヴェを父に持ち、金工職人の元での修行を経て独立、そのキャリアをスタートさせました。30歳で工房アトリエ・ジャン・プルーヴェを設立、やがて家具デザインから建築デザインまで活躍の場を広げていきます。工業化を推し進めたジャン・プルーヴェの工房は、またたく間に300人もの工員を抱える工場へと拡大していきますが、作家はデザインだけでなく生産や施工のプロセスも重視し、常に製造現場に寄り添ったものづくりをしました。「私は建築家でもエンジニアでもない、工員なのだ」という言葉や、自らを「Constructor(建設家)」と称したことにも、そんなジャン・プルーヴェの姿勢を知ることができます。隅々まで徹底した工業製品でありながら、職人気質がもたらすぬくもりを端々に感じさせるのは、その作品の大きな特徴でしょう。 

 

 

 本展は20世紀を代表するデザイナー/建築家、ジャン・プルーヴェを紹介する展覧会です。公益財団法人現代芸術振興財団の会長である前澤友作(株式会社スタートトゥデイ代表取締役)の国内有数のコレクションを中心に、ジャン・プルーヴェを積極的に紹介してきたことで知られるパリのパトリック・セガン・ギャラリーの協力のもと、ジャン・プルーヴェによる家具約60点と、日本初公開の組立住宅《F 8x8 BCCハウス》を、そのデザインの過程で生まれたドローイングや建築写真などの資料とともに展示されました。 

→  →  →  「the CONSTRUCTOR ジャン・プルーヴェ:組立と解体のデザイン」展を、フランス大使公邸にて開催

 

 

 

 

 

公益財団法人現代芸術振興財団とは

2012年に、ファッションショッピングサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営する株 式会社スタートトゥデイ(本社:千葉県千葉市)代表取締役の前澤友作によって設立された。現代芸術に関する知識と教養の向上を図るため、現代アートの展覧会開催等による現代芸術の普及活動を行うとともに、若手芸術家及び若手音楽家を支援することによる技能の向上を図ることで、現代芸術の振興に寄与することを目的としている。 評議員に石坂泰章氏(株式会社サザビーズジャパン代表取締役社長)、片山正通氏(インテリアデザイナー・株式会社ワンダーウォール 代表)、MEG氏(音楽家)、理事に小林武史氏(音楽プロデューサー)、佐藤有美氏(株式会社経済界 代表取締役社長)ら、各界を代表する面々が名を連ねる。

 

(文:制作 PR-H_PR制作部-5  /  更新日:2016.11.21)

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