国立工芸館「めぐるアール・ヌーヴォー展 モードのなかの日本工芸とデザイン」開催




アール・ヌーヴォーはめぐる?
東洋と西洋の出会いから生まれた美の循環を約150点の作品で紹介

「めぐるアール・ヌーヴォー展モードのなかの日本工芸とデザイン
 国立工芸館で開催
2021年12月25日[土]-2022年3月21日[月・祝]

 

 

 

2021年3月に石川県金沢市に移転オープンした 国立工芸館では2021年12月25日[土]-2022年3月21日[月・祝]の期間、「めぐるアール・ヌーヴォー展 モードのなかの日本工芸とデザイン」を開催します。


フランス語で「新しい芸術」を意味するアール・ヌーヴォー。その様式の特徴は、植物などの有機的なモチーフに由来する曲線を多く用いる優美な装飾性にあります。アール・ヌーヴォーは、19世紀末から20世紀初頭にかけて広くヨーロッパで流行しましたが、その誕生に影響を与えたのは、遠く離れた日本の美術でした。日本人にとってのアール・ヌーヴォーは、文字通り、最先端の芸術運動を意味するとともに、西洋のモード――新しい様式とその流行――に還流した、みずからの姿を映しだす鏡でもあったのです。

 

国立工芸館
https://www.momat.go.jp/cg/exhibition/the-cyclical-nature-of-art-nouveau/


本展では、アール・ヌーヴォーの時代を代表するアンリ・ヴァン・ド・ヴェルド(1863-1957)やアルフォンス・ミュシャ(1860-1939)の作品、そしてアール・ヌーヴォー風の表現を取り入れた初代宮川香山(1842-1916)や杉浦非水(1876-1965)など、同時代の日本の工芸やデザインの展開をご紹介します。

さらに、アール・ヌーヴォーの源泉としての日本美術にも着目し、そこに通底する自然への眼差しが現代にまで受け継が
れる様相を多彩な作品でたどります。

今回の展覧会では、東京国立近代美術館のコレクションに加えて、京都国立近代美術館が所蔵する関連作品も展示し、アール・ヌーヴォーをさまざまな視点から考えます。異なる文化が出会い、めぐりめぐって互いに響きあうダイナミズムや、すぐれた工芸品を生み出す日本の繊細な感性に触れる機会となるでしょう。

 


アンリ・ヴァン・ド・ヴェルド 《トロポン》 1898年頃 東京国立近代美術館蔵



展覧会のポイント
・キーワードは、「めぐる」。
・国内外の作家による、十人十色のアール・ヌーヴォーが大集合。
・日本美術のすごさの秘密を、近代工芸で再検証。
 

◆キーワードは、「めぐる」。
日本美術は19世紀後半の西洋に大きな衝撃を与え、そしてジャポニスムの流行に影響を受けてアール・ヌーヴォーが誕生しました。ひるがえって、ジャポニスムの母胎となった日本では、多くの美術家たちがアール・ヌーヴォーを最先端の美術として受け入れました。本展では異なる文化の出会いと、その還流が生み出した豊かな表現を、この「めぐる」という興味深い現象に焦点をあててご紹介します。




◆アンリ・ヴァン・ド・ヴェルド、アルフォンス・ミュシャ、エミール・ガレから、杉浦非水、浅井忠、神坂雪佳、初代宮川香山、板谷波山まで。
十人十色のアール・ヌーヴォーが大集合。1860年代から1920年代まで、ジャポニスムからアール・ヌーヴォーにいたるヨーロッパの装飾芸術の流れと、アール・ヌーヴォーを受容した日本美術を、代表的な作家の作品で概観します。
本展では、京都国立近代美術館の所蔵作品もあわせて展示し、多様な作品からアール・ヌーヴォーの姿をご覧いただきます。




◆日本美術のすごさの秘密を、近代工芸で再検証。
19世紀後半のヨーロッパの人々は、なぜそれほど日本美術に熱狂したのでしょう。その理由のひとつは、当時の西洋の価値観ではとらえきれない日本人の自然観が、美術にも率直に表れていたことにあります。そして、自然の中で季節を感じる暮らし方は、はるか昔から日本の文化として受け継がれ、今なお息づいています。本展では、すぐれた工芸コレクションを通して、日本の工芸の特質を改めて見直します。

 



二代横山彌左衛門《菊花文飾壺》  1886-89年頃

 

 


《展示構成

1.日本のインパクトと〈新しい芸術〉の誕生
19世紀後半、開国後の日本を訪れた外国人の眼を通して、あるいは日本からもたらされた浮世絵や工芸品などによって、日本の姿が次第に知られるようになると、ヨーロッパ各国でジャポニスムが流行しました。従来の西洋美術におけるものの見方を転換させてしまうほどの新鮮な驚きを与えた日本美術は、新しい芸術表現を模索する人々のよりどころとなりました。まさにそうした時代のなかで、はぐくまれたのがアール・ヌーヴォー(新しい芸術)と呼ばれる装飾様式でした。アンリ・ヴァン・ド・ヴェルド、アルフォンス・ミュシャ、エミール・ガレ、ルネ・ラリックなど当時の代表的な作家を紹介するとともに、その流行に素早く反応したことがうかがえる同時代の初代宮川香山や、二代横山彌左衛門、大島如雲らの作品もあわせて展示します。

 


2.アール・ヌーヴォーの先へ、図案家たちが目指したもの
1900年前後の日本の画家や図案家は、雑誌などの印刷メディアを通して、あるいは実際にパリの街中や博覧会場を席捲する様子を見聞きすることで、アール・ヌーヴォーと出会いました。ここではその例として、日本のアール・ヌーヴォー受容において重要な作家である杉浦非水と、アール・ヌーヴォー全盛期にヨーロッパに滞在した浅井忠と神坂雪佳の周辺に注目します。一口にアール・ヌーヴォーと言っても、その表現は実にさまざま。日本の図案家や工芸家たちがアール・ヌーヴォーに何を見出し、何を採り入れ、そしてその先に彼らが何を求めていたのかを探ります。


 

3.季節がめぐる工芸、自然が律動するデザイン
ジャポニスムの立役者の一人であるジークフリート(サミュエル)・ビング(1838-1905)は、「〈自然〉という名の信頼すべき案内者こそ、彼ら(日本人)が尊敬する唯一の師であり、その教訓こそ、汲めども尽きぬ霊感の泉なのだ*」と、熱を込めた文章で日本美術の美点を賞賛しました。一方で、日本の工芸に目を向けてみると、身近な草花や小さな虫にまで注がれる眼差しは、ジャポニスムやアール・ヌーヴォーの時代に限ったものではないことがよくわかります。最後の章では、日本の装飾芸術の誇るべき特質として、めぐる季節のなかで培われてきた自然に寄り添う姿勢を、工芸家たちのさまざまな表現を通してご紹介します。

 

 

【開催概要】
会場: 国立工芸館(石川県金沢市出羽町3-2)
会期: 2021年12月25日(土)- 2022年3月21日(月・祝)
*会期中、一部展示替えがあります。
(前期:2021年12月25日~2022年2月6日、後期:2022年2月8日~3月21日)
開館時間: 9:30 - 17:30
※入館時間は閉館30分前まで
休館日: 月曜日(1/10、3/21は開館)、年末年始(12月27日~1月1日)、1月11日(火)
チケット: 新型コロナウイルス感染症予防対策のため、事前予約制(日時指定券)を導入します。
観覧料: 一般 300円(250円)大学生 150円( 70円)
※( )内は20名以上の団体料金および割引料金
※いずれも消費税込
〇無料対象:高校生以下および18歳未満、65歳以上、MOMATパスポート・学パスをお持ちの方、友の会・賛助会員の方、MOMAT支援サークルパートナー企業(同伴者1名まで、シルバーパートナーは本人のみ)、キャンパスメンバーズ、障害者手帳をお持ちの方と付添者(1名)
〇割引対象:石川県立美術館・金沢21世紀美術館・石川県立歴史博物館・石川県立伝統産業工芸館(いしかわ生活工芸ミュージアム)・金沢市立中村記念美術館・金沢ふるさと偉人館の主催展覧会入場券半券、ならびにSAMURAIパスポート (一般のみ)を窓口で提示した方。
主催: 東京国立近代美術館
https://www.momat.go.jp/cg/

 

 

 

(文:制作 PR-M _PR制作部-1  /  更新日:2021.10.16)

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