vol.02 フィリップ・スタルク

デザイナーをもっと知ろう!!vol.2 フィリップ・スタルク



「デザイナーをもっと知ろう!!」シリーズ
フィリップ・スタルク氏(Philippe Starck)

 

 

 

各国のインテリアデザイン・プロダクトデザイン・グラフィックデザイン・インダストリアルデザイン業界の有名デザイナーを紹介していく、「デザイナーをもっと知ろう!!」シリーズ。

第2弾は、フィリップ・スタルク氏(Philippe Starck)です。

フィリップ・スタルクは、家具のシリーズ、歯ブラシ、耳かき、時計、食器、ファッション、電化製品、オートバイ、自動車、内装、建築など、驚くべきほど多様な分野のデザインを手がける総合的なデザイナーです。一度は引退をほのめかしながらも、毎年、精力的にデザインプロダクトを発表し続け、その才能はとどまるところがありません。

 

≪経歴≫

1949年 フランスのパリに生まれる。
1968年 パリのカモンド美術学校卒。最初のデザイン事務所を設立。
1969年 ピエール・カルダンの会社のアート・ディレクターになる。インテリアデザイン及びプロダクトデザインを担当した。
1973年 退社。
1977年 UBIK社設立。UBIKとは、フィリップ・K・ディックの小説のタイトルである。
1979年 アメリカでスタルク・プロダクト社を設立。
1982年 当時のフランス大統領フランソワ・ミッテランの目にとまったことにより、一躍脚光を浴び始める。

 


1980年代に入るとパリ、エリゼ宮内のミッテラン大統領専用室インテリア、レ・アール地区の「カフェ・コスト」プロジェクトに参加します。このカフェのためにデザインした椅子「COSTES(コステス)」<※写真1参照>によって、フィリップ・スタルクの名はさらに広く知られるようになります。

 

 

 

彼の有名作品といえば、【ALESSI】(アレッシィ)社のJuicy Salif (ジューシーサリフ)。【ALESSI】(アレッシィ)社にとっても、90年代のスタートを飾るヒット作となりました。日用品の枠を飛び越えた造形と、レモン絞りの全く新しい使い方を同時に実現した本品にはスタルクの才能が凝縮されています。

 

 

 

ニューヨークのロイヤルトンホテル、パラマウントホテルに代表されるインテリアデザインにはじまり、有名な家具メーカー、【Kartell】(カルテル)社【driade】(ドリアデ)社【Flos】(フロス)社の家具や照明器具、ドーム社のクリスタルや【ALESSI】(アレッシィ)社のキッチン用品など、様々なデザインフィールドで独創的な表現を続けています。

 

 

 

 

 

 

 

【Kartell】(カルテル)社のLa Marie(ラ・マリー)は、世界で初めての、ポリカーボネート一体成型製法による椅子です。透明感が美しいこのチェアは、座っているのに空中に浮いているようにも見えます。軽快でデリケートな外観に、エッセンシャルなデザインと耐久性を兼ね備えています。傷や衝撃に強いポリカーボネート素材の綿密な研究の成果として、軽くて堅固という素晴らしい組合せが生まれました。

Louis Ghost(ルイ・ゴースト)は、ルイ15世の時代のバロック様式(16世紀末〜18世紀初頭にヨーロッパに広まった芸術様式)デザインを同様の素材でで再現したエレガントなフォルムが印象的です。


またPrince AHA(プリンス・アハ)は、ふたつの円錐を組み合わせた、砂時計を思わせるデザイン。ニュアンスのある優しいカラーと独特なスタイルが特徴のスツールです。実用的なスツールとして、あるいはソファやベッド脇のサイドテーブルとしても役に立ちそうです。パステルカラーとジオメトリックなデザインがあらゆる環境に適合します。




このように、フィリップ・スタルク氏は、家具の分野でいえば、現在、名だたるメーカーから作品を発表しています。人や動物の形状を意識したり、遊び心がふんだんに盛り込まれたアイテムは、どれも個性に満ち、作品名も著名なSF小説から引用していたりとユニークなものが目立ちます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また建築の分野では、1989年、今や日本・浅草のランドマークとなった吾妻橋のアサヒビール本社の「フラムドール」<※写真6参照>を設計しました。これが彼の建築設計の第1号となり、以降、日本では同年の白金台UHNEX NANI NANI(ユーネックス ナニナニ)、1993年には、アレッサンドロ・メンディーニがプロデュースした「グローニンゲン美術館」(オランダ)を、ミケーレ・デ・ルッキらともに行い、応用美術館を担当。建物そのものが美術館のコレクションといわれています。余談ですが、2010年6月から映画第2弾も公開されるガールズたちに大人気のSex and the City(セックス・アンド・ザ・シティ)。そのドラマでも登場したMid-town West sideにある高級ブティックホテル、Hudson Hotel(ハドソン・ホテル)<※写真7.8参照>も彼も作品の一つです。フィリップ・スタルクの意匠を凝らしたホテルの内装、ライブラリー、エレベーターに至るまで、スタルク・スタイルの不思議な非日常空間を堪能できます。そんな空間で、SATCのキャリーさながらのフライデーナイトを過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタルクの作品の魅力は、まったく新しい発想でデザインを生み出している点にあります。モノが溢れた今日において、今まで見たことがない心躍らされるデザインに出会うことは非常に困難なことです。しかし、スタルクのデザインした作品は常に新しく、その斬新で独創的な表現は見るものに驚きと強烈な印象を残します。

ポップさと親しみやすさ、機能性とユーモラスをあわせもつ現代随一のプロダクトデザイナーといえるでしょう。

 

≪作品例≫

●【ALESSI】アレッシィ
Juicy Salif (ジューシーサリフ)

●【Kartell】カルテル
La Marie(ラ・マリー)
Louis Ghost(ルイ・ゴースト)
Victoria Ghost(ヴィクトリア・ゴースト)
Charles Ghost(チャールズ・ゴースト)
Prince AHA(プリンス・アハ)

●Flosフロス
ARA(アラ)
ROSY ANGELIS(ロジー アンジェリス)

●driade(ドリアデ)
MISS LACY (ミス レイシー)
PIP-e イエロー
Cameleon (カメレオン) スタッキングチェア
TOY (トイチェア)

●CERA TRADING(セラ・トレーディング)
サニタリー・バスルーム衛生機器類<※写真9参照>

●パラマウントホテル<ニューヨーク>

●ペニンシュラホテル<香港>

●デラノホテル<マイアミ>

●モンドリアンホテル<ロサンジェルス>

●ザ・ロイヤルトンホテル<ニューヨーク>

●デュラビットデザインセンター<ドイツ>

●アサヒビール吾妻橋ホール<日本>

●UHNEX NANI NANI(ユーネックス ナニナニ) <日本>

●ボルドーの空港管制塔<フランス>

etc...

 

 

 

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(文:インテリア情報サイト編集部-2  /  更新日:2010.05.19)

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