インテリアの知識 建具編 Vol.8 襖縁・引手

襖縁・引手

建具とは閉てる具の意味で、建築の開口部を開閉するものの総称です。

工業製品の建具は、サッシもドアも戸と枠が対で生産されますが、従来建具は建具職人が制作し、枠は建築本体の造作材としてつくりこまれてきました。

一方、伝統的な日本の建具の最大の特徴としては、柱と柱の間に建て入れて、鴨居と敷居に彫った溝の中を滑って動く、スライド式の引き戸であることでした。ドアのように建具を前後に動かす開き戸方式では開放スペースが必要ですが、引き戸は場所をとらず、スライドさせるだけで、簡単に部屋をつないだり、区切ったりすることが出来ます。こうした機構によって、引き戸は日本の室内空間に見合う建具として、開き戸よりも普及していきました。


襖縁
襖の四周の縁を「襖縁」といいます。
材質や仕上げによっていくつかの種類・ランクに分類できます。その中で最も高級なのがヒノキ材に漆を塗布した「漆塗縁」で、価格は一般的なものと比べると10倍以上になるものもあります。次いでスプルースやスギ、ヒノキなどを木地のまま使用する「木地縁」、キハダやラワン、スギなどに色付けをして蝋磨きを施した「色付け縁」、そしてスギや南洋材、ヒノキなどに植物樹脂を塗布した「カシュウ塗縁」などがあります。

襖の印象を左右する縁
襖縁は、襖をしっかりと支え、保護すると共に全体のデザインを引き締める役目も持っています。竪縁は、引き違いに立てこんだときに、前後に重なる部分がマス縁、柱にあたったり、縁同士が突き合わさる部分がドブ縁。横縁は上部を上桟、下部につけるものを下桟と呼びます。

マス縁・ドブ縁

の見付き寸法(正面から見たときの幅)は、細縁、並縁、太縁に大別されます。この太さによって襖の印象は大きく変わります。狭い空間ですっきりと見せるため、近年は細縁が好まれる傾向にありますが、太縁の存在感も空間に力強いメリハリをつかることができます。

現在は化学塗装の既製品が主流ですが、経年で美しい艶の出る漆の縁は味わい深いです。また、木地縁は樹種ごとの木目がおもしろく軽快感があり、人気が高くなっています。
 

引手
襖を開け閉めする際に手を掛けるために取り付ける器具のことを「引手」といいます。これは、襖紙に手が直接触れて、手垢などで襖紙が汚れることを防ぐ役割があります。
この引手にも、素材や仕上げによっていくつかの種類・ランクがあります。素材は、金属製(銅・真鍮・鉄など)、木製(クワ、黒檀など)、陶器製、安価なプラスチック製までさまざまあり、仕上げにも生地を生かしたものもあれば、化学的な表面加工や漆塗り仕上げなどをしたものまであります。
引手

(画像:株式会社 三井金物店 http://www.mitsui-kanamono.jp/


一点ずつ手作りする高級引手
和室の中で、意外なほどその存在を主張するのが引手です。機械生産のブリキ製やプラスチック製がほとんどを占めるいまでも、高級品は1つ1つ手作りされています。
伝統的な引手には、銅や真鍮が使われています。特に銅は、柔軟で加工しやすく、高級引手の材料として最も多く用いられる素材となっています。地金を焼きなまし、叩いたりヤスリをかけたりしながら成形し、さらに磨きをかけて色を付けます。色付けには杉の葉や絵、松の鉋屑(かんなくず)を燃やした煙にくべる「燻べ(くすべ)」、漆を焼き付ける「漆塗」、緑青と硫酸銅でじっくりと煮る「煮込み」などの方法があります。成形から仕上げまで全て手作業で作られています。

最近では、天然木の質感を生かしたり、漆で仕上げたりした木製引手も好まれています。また陶製の引手もあります。
いずれもデザインは様々なものがありますが、その中でも動植物をモチーフにしたものが多くなっています。しかし、一般の住宅によく用いられるのは丸型や楕円型、角型などがほとんどです。通常は大・中・小のサイズがあり、さらに用途によっては大大や豆といったサイズも使われています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(文:インテリア情報サイト編集部12  /  更新日:2015.10.29)

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