インテリアの知識 建具編 Vol.1 建具の歴史

建具の歴史

建具とは閉てる具の意味で、建築の開口部を開閉するものの総称です。

工業製品の建具は、サッシもドアも戸と枠が対で生産されますが、従来建具は建具職人が制作し、枠は建築本体の造作材としてつくりこまれてきました。

一方、伝統的な日本の建具の最大の特徴としては、柱と柱の間に建て入れて、鴨居と敷居に彫った溝の中を滑って動く、スライド式の引き戸であることでした。ドアのように建具を前後に動かす開き戸方式では開放スペースが必要ですが、引き戸は場所をとらず、スライドさせるだけで、簡単に部屋をつないだり、区切ったりすることが出来ます。こうした機構によって、引き戸は日本の室内空間に見合う建具として、開き戸よりも普及していきました。


<建具の歴史>

古いものでは、弥生時代の農耕村落遺蹟から、扉と推定される遺物が発見されています。
縦60.6×横47.6㎝厚さ3.9㎝の柾板でできており、縦の片側に軸釣とみられるつくり出しがあります。
この時代の扉とは、軸釣とそれを差し込み回転させる軸受けによって、開閉する建具のことを指しました。
 

遣戸 板戸 障壁画

現在の建具の原形は、寝殿造りと呼ばれる平安時代の貴族の住宅に使われていた遣戸(やりど)にあると言われています。遣戸とは引き違いの板戸を指す言葉で、おもに外回りに使われていましたが、時代とともに内部空間の分割にも取り入れられるようになります。細い木製の格子に紙や絹を張り、絵を描いた襖障子や唐紙を張った唐紙障子、室内に外光を取り込むように白い和紙を張った明障子などがそれにあたります。襖障子、唐紙障子とは現在の襖、明障子は現在の障子の原形となっています。中世以降、室内の間仕切りはほとんど襖障子となります。近世には接客の場として畳を敷き詰めた座敷がつくられ、室内装飾として襖障子に絵が描かれるようになります。これと壁画とを連続させたものを障壁画と呼びます。絵を描くのは日本の建具の大きな特徴です。建具は間仕切りと装飾、両方の役割を兼ね備えていました。江戸時代になると襖や障子は商家や町衆にも普及して行きます。座敷を持たない一般庶民の間では襖よりも、寒さや風を防ぎつつ光を取り入れることが出来る障子が先に広がりました。

明治時代に入ると、洋風建築が海外よりもたらされると同時に、開き戸が内部空間に用いられることが多くなります。日本の軸組工法では、室内の間仕切りには構造的な役目はありませんが、西洋建築においては間仕切りとは壁であり、固定されているのが前提です。部屋を出入りする開き戸は壁の延長であり、壁同様に堅牢なことが要求されます。それに比較すると、日本の建具は軽量で、なおかつ部材が非常に華奢です。襖、障子はなおさらです。開き戸が現代の日本の住宅で当たり前のように使われるようになっても、西洋建築のような重厚さがあまり求められないのは、建具の考え方が基本的に異なるからだと考えられます。そのほか明治末期には、国内生産が開始された板ガラスが建具に取り入れられて普及します。

第二次世界大戦後、伝統的な建具の素材や構造は大きく変化します。1950年代以降、都市における住宅大量供給時代には、ドアや木製引き戸は、框戸に代わり、大量生産が可能な合板のフラッシュ戸が普及しました。これはシンプルなインテリアを求めるモダンデザインの流れとも関連しています。また、住宅の気密性、断熱性が求められるようになったため、室内外を隔てる建具の素材は、木製の引き戸からスチールサッシ、さらに軽量なアルミサッシが一般的になります。一方で結露の問題から、寒冷地では樹脂サッシが取り入れられてきました。アルミサッシも木造建築の躯体に接する部分に樹脂を用いるなど、結露対策の工夫がされてきました。従来の木製の引き戸とは異なり、金属やレール類の進化により、気密性を保ちつつ開け閉めしやすい木製サッシも需要を伸ばしつつあります。一方では、日本の建具の引き戸構造が海外のモダン建築の室内で〝スライディングドア〟として取り入れられるなど、再評価されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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(文:インテリア情報サイト編集部-2  /  更新日:2015.07.16)

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