インテリアの知識 壁材編 Vol.5 既調合左官材

インテリア基礎知識 既調合左官材

壁とは、材料や建物の内外を問わず空間を分離している垂直の構造物の事を指します。

同じ壁といっても木が少ない地域では、石やレンガを基本素材としてきた組積造の壁が一般的で、古代から日干しレンガなどを用いていました。

伝統木造建築のような軸組構造の壁は、これとは性格が異なります。

日本のように骨組みの間を埋めるつくりの壁は、高温多湿の気候の地域に多く、室内空間も障子・襖などの建具類で分割され、壁自体が少ないこと、軽量なことが特徴となっています。

壁の仕上げについては様々ありますが、今回は既調合左官材・仕上げ塗材について見ていきます。

 

■ 既調合の左官材とは

 左官仕上げにおいて材料づくりは仕上がりを左右する最も重要な作業です。
しかし、その調合や材料づくりには長年の経験と高い職人技術が必要不可欠なため、短時間で高い施工精度が求められ出した高度成長期以降の建築現場では、左官仕上げは敬遠されるようになってしまいました。

 そこで、左官材料をあらかじめ工場で調合しておき、現場ですぐに施工でき、ひび割れなどの故障の少ない材料が必要となり、「既調合材」と呼ばれる袋詰めの製品が開発・販売されるようになりました。既調合材は石膏ボード下地に塗り付けられる点でも現代の工法に適しています。

 

<土壁系の既調合材>

 ここ15年ほどの間に土壁が見直される中で、自然の色土の色合いを再現するものや、稲藁や和紙の繊維を表情として活かすものなど、デザイン性をアピールした既調合材が増えています。また、本格的な土壁仕上げを可能にする製品も登場してきており、これらは再度土壁を身近なものとすると同時に、現代のデザイン感覚と巧みに調和し、土壁の復活に重要な役割を担っていると言って良いのではないでしょうか。

 

<漆喰系の既調合材>

 かつて漆喰は、現場で職人が海草糊を煮て麻のスサと合わせ、石灰や貝灰を調合して捏ねてつくっていましたが、現在は既調合の漆喰材に水を加え、練って使うことが一般的になっています。漆喰は乾燥収縮が大きく、クラックが入りやすいため、材料の調合が難しい素材です。既調合の漆喰は、その手間や調合が不要で、均質な仕上がりが得られるため、多用されています。上塗り用、中塗り用、顔料入りなど、メーカーにより種類も多く、さらに最近は漆喰の吸放湿性に着目し、珪藻土やホタテの貝灰など多孔質材料を加え、調湿機能を強化した製品も開発されています。

 

<石灰クリーム>

生石灰と石灰クリーム 既調合の漆喰を含め、伝統的な漆喰は粉体の消石灰を使うことが基本となっています。

 消石灰を作る際に湿式消化といって、生石灰に水分を多めに加えると、クリーム状の消石灰を作ることができます。これは「石灰クリーム」あるいは「生石灰クリーム」と呼ばれ、通常の消石灰に比べて固まる力や接着力が強いという特徴を持っています。

 鏝以外に、ローラーやハケなどで塗ることができ、色土や藁、砂など様々な材料と組み合わせることが可能です。またその硬化力の強さを利用して、従来の漆喰磨きより光沢を持った磨き仕上げができるなど多くの利点を持っています。糊入りのもの、骨材入り、藁スサ入り、顔料入りなど多様な既調合材が製品化されており、石灰クリームは応用力の高い漆喰として注目されています。

 

<珪藻土、火山灰系の左官材>

 近年の珪藻土仕上げ材の登場は、塗り壁ブームに一役買ったといって良いでしょう。珪藻土の特徴は断熱・保温性、吸放湿性、吸臭性、不燃性を持っていることで、それが現代の住宅環境の要求にビッタリ合致し、さらに既調合で製品化された珪藻土仕上げ材が色やテクスチャーなどに自由度の高いバリエーションを持っていることも流行の一因となっています。


■ 仕上げ塗材

仕上げ材 これまでの石灰やセメント系の左官材料に対して、塗り壁風の風合いを持っている塗材系の仕上げ材もあります。粘土や漆喰材を用いず、主材はアクリル系などの合成樹脂です。それに珪砂や寒水石などの骨材、顔料を加えて鏝やローラーなどで様々なテクスチャーが付けられるのが特徴となっています。耐水性や耐久性に優れ、建物の外壁や床など利用範囲が広く、多くはビルや店舗の内装、住宅の外壁など広範囲に使われています。

 骨材が加わることによって仕上がりに厚みがあり、左官仕上げのように凹凸をつけることも可能です。また、材料自体は塗料に近いものなので左官工事に限らず、塗装工事でも扱え、状況に応じては鏝塗り、ローラー塗り、吹付仕上げなど施工方法も選択自由となります。鏝波を付けてスタッコ調な仕上げや稲藁を見せた土壁風な仕上げ、櫛引き仕上げ、砂壁風、砂岩風などなど、色も塗料のようにカラーバリエーションが豊富なことから自由自在な表現力を持っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(文:インテリア情報サイト編集部-12  /  更新日:2015.01.29)

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