【インタビュー】今も20年後も愛されるデザインに取り組み、ものづくりで世界に挑戦し続ける日本企業

 

2. 世界の「日本ブームは本格的!?
それでも日本はこれからもプレゼンスが必要!!

Q:欧米の展示会などでの反響、日本のメディア報道でよく言われている日本ブームの海外での反響は本当なのでしょうか。

2024年1月はパリのデザインウィークに出展します。Boffi | De Padovaとパートナーシップを結び、共同プロジェクトとなる家具コレクションTime & Style ēdition(タイムアンドスタイルエディション)を全世界へ向けて展開しています。

Time & Style Editionは、日本のデザイン美学を参考に、何世紀にもわたって受け継がれてきた日本の職人技とモダンな製造方法を組み合わせて制作された、ミニマルな単体の家具コレクションです。同時にブランドは、トレンドではなく品質を重視しようと努め、今も20年後も愛されるデザインに取り組みクリエイティブなアプローチを追求しています。

 

パリのイタリア大使館を借り切って新作コレクションを発表。映像でブランドプレゼンテーションを行います。パリでのプレゼンテーションは2回目で、パリでの反応はいいですよ。パリもいいし、以前やったミラノやロンドン、アメリカでも反応は良かったです。現在60都市で展開していますがどの都市でも反応はいいです。


ミラノデザインウィーク2023の期間、ブレラ地区のパラッツォ・デル・シネマにて、Boffi | DePadovaのCEO Roberto Gavazziと吉田氏によるTime & Style ēditionの新たなプロダクトが発表の会場の様子。
画像:(株)プレステージジャパン提供


しかし、だから言って製品が売れているかというとそれとこれは別です。まだ海外の反応が売上げには十分にリンクしていません。和食文化の浸透に時間がかかったように、インテリア文化を浸透させるにはもっと時間がかかると思います。

以前は日本はフレーバー、スパイス的な存在でした。それがジャポネスクな扱いから日常の入り口に差し掛かって、今は日常化してきています。彼らの生活に身近に日本を感じられるようになったということです。

いままでもブームだブームだといわれ続け、アニメや音楽、食などの流行はありましたが、流行は流行でいつ終るかのかの危さはありました。それが少し認知されてきたかなと思います。でもまだまだだと思います。これからも日本のプレゼンツは必要です。

特にインテリア文化はもう少し時間がかかりそうです。日本のインテリアは一部の文化人や異文化に興味を持っている人たちに受けいれられていますがまだまだ広がっていません。

ですが、日本のインテリア業界が目立ちつつあります。インテリアの主流が西洋的なものだったものが、別要素の機軸として考えられるのが日本のインテリアではないでしょうか。インテリア業界はイタリアがあって北欧があってそれが世界のインテリア業界の中心で、そこに日本のインテリアが入ってきています。

特に北欧インテリアは日本の業界と似ていて木製家具が中心です。ですが、今では北欧家具は自国で製造している北欧メーカーは少なく、ほとんどが東欧や諸外国で製造しています。製作から小売まで行えるのが日本のメーカーの強みです。

 


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http://www.timeandstyle.com/

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(文:KEIKO YANO (矢野 恵子)  /  更新日:2024.03.25)

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