リノベーション体験記vol.17―「完成」

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3月29日、家がようやく完成し、【完成報告会】が行われました。
イメージしていた「普通で肌触りがよくてシンプルで端正な家」にかなり近い家ができあがった!と感激。夫も喜んでくれてほっとひと安心。

工事監理報告書と「完成引き渡し時チェック項目リスト」というものを受け取り、説明を受けました。この時点で壁紙のヨレなど幾つかの工事の不具合があったので、4/11の引越し予定日までに修正します、とのこと。

 

着工から2ヶ月半。
現場監督のSさんいわく、工事は多少時間をかけてもひとつひとつの工程をしっかりと仕上げるために、同時期にいくつもの工事を入れることは避けていたそうです。

スピードを売りにする施工会社では、とにかくいっぺんにやれる工事は全部やってしまう、という方針がとられているところが多いです。実際うちも、購入前に一度別のリフォーム会社に見積もりを依頼しているのですが、そこの営業の方は「急げば20日でできる」と言っていました。

けれど、そんなふうに急いだ工事では、仕上がりの精度が低くなってしまうことは明白でしょう。施工のスピードの速さをアピールしてくるような業者さんには注意したほうがいいな、と今回のリノベで感じた次第です。


それでは、できあがった新居を改めてご紹介しましょう。

まず、これがリノベ前。


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そしてここからがリノベ完成時の様子です。

 

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ドアや壁を撤去したり位置を変えたりしたことで、風が通り抜けるリビングができました。8の字型の動線ができて、息子が楽しそうに走り回っています(いけないことですが)。冷暖房効率があまりよくないという欠点を補って余りある、気持ちよい空間になったと思っています。

 

 

 

rinobe17_flooring.jpgカラマツのフローリングは最初ざらっとした感触だったのが、足の裏の油分などが浸透して、しっとりとした自然なツヤが出てきました。これから色も濃い飴色に変化していくはずです。新しく買ったシュロの箒で、この床を掃くのがちょっとした趣味になりました(シュロに含まれる油分も、無垢のフローリングにつやを出す効果があるのだとか)。
もっとも、柔らかい樹種なのでキズはどんどんつくし、隙間や波打ちなどもできています。今後状況に応じてメンテナンスはしていく必要があるでしょう。それを覚悟した上での無垢材採用です。

 

 

rinobe17_wall.jpgリビング、ダイニング、和室と廊下の壁は塗り壁です。卵殻と天然火山灰、コラーゲンから作られた塗料は、マットで柔らかい雰囲気。ビニール壁紙より光の反射の仕方がソフトで、上品な感じがします。触るとややしっとりとして、予想以上に気持ちよいです。
少しの汚れなら水拭きで落ちるし、ひどく汚れたらヤスリで削って筆などでレタッチすればよいので、メンテナンスも難しくありません。

また、室内の余分な湿度を吸収したり、ホルムアルデヒドやアンモニア臭などを吸着分解したりする効果があるためか、完成したリビングの空気が何となくからっと爽やかな気がしました。

 

 

前にも書きましたが、当初私は壁の仕上げにそれほど拘っておらず、完成したリビングに足を踏み入れて、はじめて気持ちよさに驚いたのです。「壁の仕上げが、空間の質を大きく左右する」ということを私は知識として知っていただけで、きちんと感じたことはなかったということを思い知りました。何でも五感で体験するということは大切です。


 

 

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玄関はM先生によるシンプルな横方向の直線を強調したデザイン。天井付近に1本の木のルーバーを取り付け、裏にLEDランプがつけられています。当初、こういった間接照明による空間演出をリビングなどに取り入れようという話もありましたが、予算が足りずこの場所だけになったのでした。

この玄関については、ひとつ心残りな点も。下足箱の扉は開き戸になっていますが、ここも引き戸にしてもらえばよかったと思っています。扉を開けると靴の出し入れにとても邪魔になるのです。それに靴が出しっ放しになっていると、扉の開閉の時に扉の下端が靴に引っかかります。まあ私たちが、靴をきちんとしまえばよいのですが。

 

 

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建具をほぼすべて開き戸から引き戸に変更したことで、部屋に出入りする際に「レバーを持って手を引き、少しドアをよけて回り込む」という動作がなくなりました。小さいことですが、これによって室内の移動が確実にスムーズになったと思います。ドアを邪魔に感じることがなくなりました。
引き戸を採用する場合は、部分的にではなく家の中全ての建具を変えるつもりで考えたほうが、その効果が高まると思います。

 

私たちの新しい家は、こんな感じです。
住み始めて最初の数ヶ月はどこかよそよそしい感じがしたこの家も、1年半経った今はすっかり私たちになじんでくれて、本当にかけがえのない場所になってきています。
 


 リノベーションを振り返って―結局、何をすれば「リノベ」なのか?

ところで、リノベーションという言葉もすっかり定着しましたが、従来からある「リフォーム」という言葉との意味の違いは何でしょうか。

リフォームは「老朽化したものを、新築時の状態に戻す」。
リノベーションは「古い建物のよさを活かしながら大規模で根本的な改修を行い、間取りやデザインをライフスタイルに合わせて変えたりすることで、新しい付加価値を生み出す」。
おおむねこのようなイメージで捉えられていると思います。
けれど個人的には、何も大規模な改修をしてイメージをがらりと変えることだけがリノベーションだ、というわけではないと思っています。すでにある住まいをちょっと変えて暮らしに新しい要素を取り込めれば、それは立派に「リノベ成功!」と言ってよいのではないでしょうか。わが家の今回の計画でも、間取りの大きな変更はありませんでしたが、やったことはれっきとした「リノベ」でした。


キーワードは「楽しむこと」

「リフォームを機に、今まで畳だった部屋を板張りにしたい」「壁紙がはがれてきた。今までの花柄は飽きたので、どうせならシンプルな白いものにしたい」…こうしたことも立派に「ライフスタイルや好みに合わせて住まいを変える」ということの一例です。

つまりリノベーションって、実は昔からけっこう行われてきたことではないか、と思うのです。でも、それらはすべて「リフォーム」という言葉でまとめられ、例えば賃貸マンションの業者が空室になった部屋を元通りに復元する(これが厳密な意味での「リフォーム」だと思います)といったこととあまり区別されずにきました。

では、最近になってリノベーションという言葉が定着した背景にはどんなことがあるのでしょうか。
そのキーワードは「楽しむこと」なのではないかと思います。

リノベーションは「re(再び)+inovathion(革新、刷新)」。わくわくする言葉ですね。
「これが好き」という自分の気持ちに少し忠実になって、家をちょっとおしゃれに変身させ、暮らしに新しい風を呼び込むこと。それをもっと「楽しんでやろう」という空気が社会に醸成されてきた時に、「リノベーション」という言葉が爆発的に広まったのではないでしょうか。
私も、いちばんはじめの設計事務所探しの段階から、施工がはじまって理想が徐々に形になっていき、ついに完成したその日まで、とにかくものすごく「楽しんで」いました。途中、少し大変な時もありましたが…。
 

 

rinobe17_display.jpgどんな家が好きなのか―
家を考えることは、そこで過ごす自分の人生を考えること。
自分の好みを考えることは、自分自身の価値観について考えること。

今の状況は、たくさんの人が自分の暮らし、自分の人生、自分自身を考えることの楽しさに気づいてきているということで、喜んでいいことだと思うのです。

 

 

 

 


「リノベーション体験記」は今回で終了です。長きにわたりお付き合いありがとうございました。どんなに些細なことでも、「いつかはリノベを」と考えている方のお役に立つことがあれば幸いです。

 

(文:インテリア情報サイト編集部-1  /  更新日:2015.09.27)

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