リノベーション体験記vol.12―いよいよ着工!

リノベーション体験記vol.12―いよいよ着工!

はじめての打ち合わせから約3ヶ月。インテリア情報サイトスタッフK一家のリノベーションも着工にこぎつけました。ここからは実際の工事中の写真もなるべくたくさん交えながら、お話していきたいと思います。

 

【1/11 施工業者との工事請負契約、および近隣へのあいさつ回り】

寒さの厳しい1月11日、M先生と長年提携しているという施工会社さんと契約しました。この日締結したのは「工事請負契約」。施工会社に実際に工事を依頼するための契約です。
既に12月に、M先生との間で「建築士業務委託契約」(設計と工事監理に関する契約)を結んでいましたが、工事自体に関する「工事請負契約」はまだだったのです。

 

rinobe12_image1.jpg「工事請負契約書」の内容はだいたい次のとおり。vol.10の記事で出てきた「重要事項説明書」「建築士業務委託契約」と、基本的に考え方は同じです。

・工事内容(該当箇所の設計図書を添付)
・請負金額(見積書を添付)
・着工、完成、引き渡しの時期
・支払いの時期、およびその方法
・違約金
・工事請負契約約款
 (工事中に起こりうる様々なトラブルの解決方法を詳しく文書にしたもの)

全ての項目をチェックする必要がありますが、最も大切なのはやはり施工会社に支払う「金額」と、「その金額でどの場所の、どんな内容の工事をしてもらえるのか」が明確になっていること。つまり、見積書の内容がしっかりしていることです。

vol.10「契約は慎重に」
http://www.interior-joho.com/interview/detail.php?id=2836


同じ日に、私たち施主一家、M先生、そして施工会社の責任者Sさんが現地に集合し、隣と上下階の家へ粗品を持って皆であいさつに行きました。そしてこれからリノベーションのため2ヶ月ほどにわたり工事をすること、騒音が発生してしまうことを前もっておわびしました。スムーズに工事を進めるために、こういった近隣への配慮はやはり大切です。

 

いよいよ着工!

【1/21 現場打ち合わせ】

1/14に着工後、はじめて視察のため現場を訪れてみました。この日は一部の壁の解体と、床の工事が行われていました。

vol.3の記事でも説明しましたが、わが家の床は「置き床工法」。スラブの上に防振ゴムつきのアジャスター、その上に合板と遮音フローリング(裏にクッション性のある素材を貼って防音性を高めたフローリング材)が貼られている、という構造です。その遮音フローリングをはがし、かわりに遮音マットとその上に合板を敷きつめる工事が行われていたのです。

vol.3「マンションの床に無垢フローリングを貼る」
http://www.interior-joho.com/interview/detail.php?id=2501

 

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使用した遮音マットは自動車用のゴム部品から作られていて、内部に適度な隙間があるため防振・防音効果を発揮します。さらにフェルトなどと違い、床が沈み込むような違和感がありません。

M先生は「騒音トラブルが心配、でも普通の遮音フローリングのような、床がふかふかした感じはいやだ」という私のわがままと、コストや施工性のよさを総合的に考え、これを選んで下さったのだと思います。

厚みはいくつかある中から、5ミリのものが使われました(隣のリビングとの間に段差を作らないため)。
「なんかずいぶん薄いけど、大丈夫かな…まあ、もともと二重床で下に防振ゴムも入ってるし。そこに遮音マットを敷いて二重に防音したのだから、これで大丈夫なんだろう」などと考えていたのです。

でも、それはあまりにも浅はかな考えでした。

 

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遮音マットで子供の足音は防ぎきれない

結局遮音マットを入れても、子供の足音はあまり抑えられなかったのです。

入居後に階下に住む人に騒音のことを聞いてみたところ、「聞こえる」という返答。さいわい寛容な方で「我慢できる程度なので大丈夫」と言って下さったのですが、我慢させていることにかわりはありません。

そもそも、遮音フローリングや遮音マットと言われているもの全般が、スプーンなど硬くて軽いものを落とした時などに発生する「軽量衝撃音」には効果がありますが、子供の足音のような「重量衝撃音」に対する効果はそれよりかなり落ちてしまうそうなのです(それでも、施工しないよりはましですが)。
「重量衝撃音」をきちんと防ぐためには、建物の設計時にスラブの厚みをきちんと確保する以外になく、建物が出来上がってからでは根本的な対策は難しい、という人もいます。

vol.3で「下に遮音マットを敷くことで、今はマンションでも気軽に無垢のフローリングを施工できるようになった」と書きました。そこで説明したように、「L=45」などと性能が明確に表示されている遮音マットを貼れば、管理組合の規制はクリアできます。だから、その上に無垢のフローリングを貼ること自体は確かに可能となります。
けれど、実際にきちんと防音されているかということはそれとは別の問題です。

従って、「遮音マットを施工したからうちは大丈夫」というだけでは階下の住人への配慮が足りず、クレームが来ても仕方がありません。
カーペットやコルクマットを使うなど、普段の暮らしの中で音が立たないように工夫する。子供には室内で走ったり跳んだりしないよう躾をする。そして階下の住人に対しては、前もって謝るなど謙虚なコミュニケーションを心がける…こういうことがいちばん大切で、かつトラブル防止に効果があるのだ、と思い知らされたのでした。

次回に続きます。

 

 

 

 

※この記事は中古のマンションをリノベーションしたインテリア情報サイト編集部スタッフの執筆によるものです。

記事監修 矢野 恵子

住宅リフォーム会社勤務を経て1993年独立。2000年有限会社アトリエケイアンドワイ設立。住宅・店舗の企画デザイン設計業務の傍ら、会社設立と同時に業界育成事業K&Yインテリアデザインスクールを開校。2009年より長年のインテリア業界での経験を活かした情報と最新情報を発信するWEBサイト「インテリア情報サイト」をオープン。現在インテリア系企業のデザインコンサルタント業務を中心に活動する。



有限会社アトリエケイアンドワイ代表取締役。
K&Y INTERIOR DESIGN SCHOOL 校長 。
インテリア情報サイト編集長。

 

(文:インテリア情報サイト編集部-1  /  更新日:2015.04.26)

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