リノベーション体験記vol.9―見積もり大公開!

リノベーション体験記vol.9―見積もり大公開!


築25年の95㎡のマンションを中古で購入したインテリア情報サイト編集部スタッフK一家。夫婦間の価値観のずれなど大きな問題が浮き彫りになる中、それでもとりあえず計画は進みます。設計者、内装業者との初顔合わせから2ヶ月、3回の打ち合わせを経てついに見積もりが出ました。
 

【12月13日 見積書受け取り、契約手続きについての説明を受ける】

早速、見積もりの内容をご紹介しましょう。

rinobe9_mitsumori.jpg

 

予備費40万円を含めて見積もり総額約764万円。ということは実質約724万円。800万円の予算に対してかなり余裕があり、ひとまずほっとしました。
とはいえ、この時点で見積りに含まれていない検討事項もあったので、そう安心できる状況でもなかった、と今にして思います。

わが家の場合の工事内容は、前住人者が洗面所、トイレ、キッチンをすでにリフォームしていたため、そこの大掛かりな工事はせず、内装仕上げと建具(引き戸)、そして和室クローゼットや下足入れなどの収納の製作がメインです。

 


針葉樹の無垢フローリングはお得


今回のリノベーションにおいて私が一番こだわっていたことは「木のよさを活かす」ということ。マンションなどの鉄筋コンクリートや鉄骨造りの建物の床には、木の反りや遮音、予算を考えてラバー付きの複合フローリングを勧められます。ですが、木のさらりとした感触や、木目の表情をいつも心から楽しんでいたいと考えていた私は、傷やへこみ、湿度変化による収縮・膨張、遮音性などいろいろな問題があったとしても、足裏が直接触れる床は無垢材!それも、足ざわりがやわらかくて気持ちよく、傷も味になりそうな針葉樹系!と初めから決めていました。

rinobe9_floor.jpgけれど、こだわった割に費用は抑えられたように思います。下に敷いた遮音マットなども含め、フローリング関連工事は約89万円でした。
フローリングはロシア産のカラマツ材。節のあるタイプです。無塗装の状態でとはいえ、1㎡あたり約3200円(通常平均4500円)という計算になるので、かなりリーズナブル。

その理由として、針葉樹のカラマツを使ったことは大きいでしょう。通常、カラマツやパイン、杉など針葉樹のフローリングは、ナラやメープルなどの広葉樹に比べ安価です。針葉樹の方が成長が早くて材を確保しやすく、流通量もそれだけ多くなるからです。

あとは、節が多いこと、輸入材を使ったことも安さにつながっています。
「輸入のフローリングは加工が雑で品質が悪い(すぐ反る、など)」と批判する人もいます。しかし最近は輸入商社の日本人が直接現地へ出向き、商品開発、出荷前の検査などを行っていることが多く、品質は上がっています。

 


 

rinobe9_door.jpg特注ドアは高くない!

建具工事には約93万円。
家の中のほぼ全ての扉を引き戸に変えたので、やはりそれなりにかかっています。

ドアの素材は、ホワイトバーチ(白樺)の柾目材※。オイルステインを塗って仕上げています。
当然ながらここも、化粧シート貼りは論外。床に本物を使ったのだし、建具も(安い材でよいから)きちんと「木」で作りたい、と思いました。ここは床と同様、変えたくなかったところです。
※柾目材…木材を、年輪に対し直角に近い角度で挽いて製材したもの。木目がまっすぐで、すっきりシンプルな印象。一方、年輪に沿って挽いたものは「板目材」で、こちらは変化に富んだ木目。


ドアを特注するということが、はじめはなんだかとても贅沢なことのように思えて、私としても思い切って依頼したつもりでした。けれど実際は「特注だから高い」ということはありません。

 

 

建材メーカーが扱っているドアも、仕上げ材のグレードや機能によって値段はピンキリです。建材メーカーのドアの素材、仕上げで多いのは「MDF+オレフィンシート貼り」でしょうか。
MDFは木材を繊維状にほぐして、接着剤などでボード状に成型したものです。
オレフィンシートはオレフィン樹脂をシート状にして、色柄をプリントしたもの。デザインが多彩で、例えばエンボス加工を施してレザーの質感をリアルに再現したものなど、高級感のあるものもあります。そういうものを使うと、当たり前ですが値段が跳ね上がります。

他にもガラスをはめ込んだり、ハンドルや引手や丁番をよいものに変えたり、吸音材を入れて防音性を高めたり、「バタン」と音を立てて戸が閉まるのを防ぐためのソフトクローザーなどをつけたりすれば値段はどんどん上がります。メーカー品には商品価値を高めるために、こうしたパーツが標準装備されているものも多いです。

繰り返しになりますが、ドアを建具屋さんに特注しても、そのために値段が高くなるとは限りません。むしろ最低限の機能でシンプルならば、かえってリーズナブルに済ませられることもあるのだと感じました。

 


塗り壁っていいね


rinobe9_wall.jpg壁および天井には約78万円。
実は私、床や建具に比べ、壁の仕上げにはあまりこだわりを持っていませんでした。

結局、個室とサニタリーのみクロス貼り、それ以外は塗装仕上げにしたのですが、理由は
「M先生がよく使っている塗料があり、結構強くお勧めされたから」
「見積もってみたら予算内で収まってしまったから」
というお粗末なものだったのです。

もし予算がオーバーしていたら、おそらく塗装はやめていたでしょう。実のところ、「そりゃ塗装にできれば素敵だけど、高そうだし…あまり安っぽいものでなければクロス貼りでもいいんだけど」程度の考えだったのです。今となっては自分でも「木にはこだわりたい。でも壁はどうでもいい」という空間センスは果たしてどうなのかと思いますが、そんな感じでした。

 

けれど、実際に塗り壁を見て、触ってみると…いいのです。これが。今では、節約目的で2つの洋室をクロス貼りにしたことを後悔しています。使った塗料については後日改めて触れたいと思います。

 

あとは造作工事。
和室のクローゼットや下足入れ、電話カウンター、ドア枠などの製作などに合計1029000円。間取りの大きな変更がなかったので、比較的抑えた値段になっています。

次回へ続きます。

 

 

 

※この記事は中古のマンションをリノベーションしたインテリア情報サイト編集部スタッフの執筆によるものです。

記事監修 矢野 恵子

住宅リフォーム会社勤務を経て1993年独立。2000年有限会社アトリエケイアンドワイ設立。住宅・店舗の企画デザイン設計業務の傍ら、会社設立と同時に業界育成事業K&Yインテリアデザインスクールを開校。2009年より長年のインテリア業界での経験を活かした情報と最新情報を発信するWEBサイト「インテリア情報サイト」をオープン。現在インテリア系企業のデザインコンサルタント業務を中心に活動する。



有限会社アトリエケイアンドワイ代表取締役。
K&Y INTERIOR DESIGN SCHOOL 校長 。
インテリア情報サイト編集長。

 

(文:インテリア情報サイト編集部-1  /  更新日:2015.02.01)

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