リノベーション体験記vol.5―緊張の初打ち合わせ

rinobe_top3.jpg


「築25年マンション、95㎡、眺望よし、東南東向きの角部屋」という物件をリノベーション前提で購入したインテリア情報サイト編集部スタッフK一家の、家が完成するまでのリノベーション体験記。
 

2013年10月下旬の寒い雨の日、私たちははじめてM建築研究所を訪ねました。

一級建築士のM先生とは、物件を探している時から連絡を取り、中古のマンションを全面リノべーションしたいこと、予算が1000万円であること、家族構成などを事前に伝えてありました。もちろん他にも建築事務所はありましたし、リノベーション専門の会社も検討しました。その中でまずM先生に相談したいと思った最大の理由は、平凡ですがやはり「デザインが好みだった」こと。

HPに載っている施工事例からは、シンプルで気取らない、けれど滲み出る上品さが感じられました。「そうそう、こういうのがいい!」と、夜更けのPCモニタに向かってひとり頷いたものです。

実際にお会いしてみたM先生は物静かで、余計なことは全然言わない方。決して打ち解け易い印象ではないのですが、それ故に何となく信頼できそうな方だと感じました。設計された家に、少し似ているところがあるかもしれません。


 

初日から静かな手応え

M先生の事務所で、私たちは要望についての説明と簡単な意見交換をしました。
もちろん、喋るのはほぼ100%私。すっかり舞い上がってしまい、ただペラペラと要望リストの項目を読み上げていたような気がします。
それに対し、M先生はその時点でできる範囲について、具体的なアドバイスを適宜、淡々として下さったのでした。

 

rinobe_karamatsu.jpgM先生「この、ドアを集成材にっていうのはこだわりですか?」
私「いえ、表面が化粧シートとかの偽物でなくてちゃんと木の質感があればいいんですけど」
M先生「そうですか、集成材だと重くて使いにくいかもしれないです」
私「あ、はい、じゃあ突板でいいです」
M先生「そうですね、突板にフラッシュ構造などがいいと思います。あと、ドアはなるべく引き戸にした方がよいと思いますがどうでしょうか?」
私「あっ…書き忘れましたけど、私もそう思っていました。それでお願いします」
M先生「分かりました」

私「それから、フローリングは無垢材で。樹種は肌触りがいい杉とかいいなあと思ってます」
M先生「杉ですか…(少し考え込んだあと、サンプルを出してきて)例えばこういうのはどうでしょうか?うちでよく使ってるんですが、これはカラマツです。針葉樹の中では硬くて、傷に強いんですよ」
私「あー、なるほど…はい、ちょっと考えてみます」

 

M先生「それから、照明についてはどんなふうにお考えですか?今の主流はタスク・アンビエント照明※1 といって、…(中略)…間接照明なども検討してみませんか?よろしければご提案します」
私「あー、実は照明は全然考えていなかったんですよね…。はい、ちょっと考えてみます」

 


あくまで静かに、話し合いは進みます。そんな中私は早くも、「いよいよこれから動き出すんだ」という高揚感をはっきりと感じていました。

rinobe5_image1.jpg契約が成立した場合の支払いのスケジュールや、着工・竣工時期などについても確認。私たちの場合、消費税の5%から8%への税率アップが半年後に迫っており、極力それまでに竣工してほしいと思っていました。もっとじっくり計画を練りたいという思いもありましたが、そこは現実に負けた、と素直に認めます。
消費税アップに間に合いますか…?と恐る恐る聞いてみると、「施工には2ヶ月くらいはかけたいので、余裕を持って1月中旬くらいに着工すれば大丈夫でしょう。それに間に合うよう設計を進めましょう」とのことでした。

最後に、「現場視察をしないことには始まらない」ということで、後日施工会社の方も交えて、現場で改めて話し合いをしましょう、という約束をして、その日の相談は終わりました。


次回、その現場視察から続きます。

 

※1 タスクアンビエント照明:手元や読んでいる本を直接的に照らすタスク照明と、空間全体を柔らかく照らすアンビエント照明に分けて照明計画をすること。
必要な場所のみを明るくし、他の部分は控えめな明るさに抑えることができるので、節電効果があるほか、室内の明るさにメリハリがつき空間演出にもなる。

 

 

 

 

※この記事は中古のマンションをリノベーションしたインテリア情報サイト編集部スタッフの執筆によるものです。

記事監修 矢野 恵子

住宅リフォーム会社勤務を経て1993年独立。2000年有限会社アトリエケイアンドワイ設立。住宅・店舗の企画デザイン設計業務の傍ら、会社設立と同時に業界育成事業K&Yインテリアデザインスクールを開校。2009年より長年のインテリア業界での経験を活かした情報と最新情報を発信するWEBサイト「インテリア情報サイト」をオープン。現在インテリア系企業のデザインコンサルタント業務を中心に活動する。



有限会社アトリエケイアンドワイ代表取締役。
K&Y INTERIOR DESIGN SCHOOL 校長 。
インテリア情報サイト編集長。

(文:インテリア情報サイト編集部-1  /  更新日:2014.09.28)

この記事へのメンバーの評価

  
  • まだコメントがありません。

バックナンバー

Knowledge and Skill

Group Site

ページトップへ