【レポート】イケア・ジャパンが発表した『Life at Home Report 2022』を紹介

 

 

 

【コラム・レポート】
日本では自分の家に対して「昨年と比較しよりポジティブに感じる」
「自分らしさを表現している」と考える人が少ない結果に

イケア、日本を調査対象に含むLife at Home Report 2022を発表

 

 

「より快適な毎日を、より多くの方々に」をビジョンとするスウェーデン発祥のホームファニッシングカンパニー イケアの日本法人イケア・ジャパン株式会社は、1月26日(木)に日本を調査対象に含む「Life at Home Report 2022」を発表しました。

「Life at Home Report 2022」とは、イケアが2014年より行っている家での暮らしに関する調査で、2022年度は世界37カ国37,000人以上を対象に行われました。また、定量調査に加え、今年は初めて定性調査の対象国に日本が選ばれ、オンラインでのインタビューを実施。レポート全文では、その対象5カ国(日本、ドイツ、インド、イギリス、アメリカ)での暮らしの実態も紹介しています。

今年の調査で日本のレポート回答が興味深いものとなっておりますので紹介します。


Life at Home Report 2022(ウェブサイト): https://www.ikea.com/jp/ja/life-at-home/

 


・世界は気候変動の影響よりも、国内の経済と家計の危機を懸念

 

 

調査では、世界の61%が家計に不安を感じており、世界的にインフレが進む中66%が国内経済について不安を感じていることが明らかになりました。また、経済に対する不安は、気候変動の影響に対する不安(56%)を上回り、世界の人々の間で最も関心が高いことがわかりました。 日本でもほぼ同等で、65%が経済、59%が家計、57%が気候変動を不安に感じています。また懐が寒くなることで、世界の43%、日本では33%が旅行や外食といった家の外での趣味が影響を受けると予想しています。

 

 

・「昨年と比べて自分の家についてよりポジティブに感じている」と回答した日本人は12%のみで、調査対象37ヵ国中35位と低い結果に

 

平均で世界の人々の37%が昨年より「よくなった」と回答しているが、日本では「よくなった」と回答したのが12%。調査は昨年(2022年)7月から8月の期間に行われたもので、実質この時点ではインフレ率もさほど高くなかった日本では、先行きに不安を感じてか「変わらない」と「わからない」と回答した人が他の国より目立っています。

 

 

 


・家が自分らしさを表現していると感じている日本人は37%、世界平均は58%

 

世界平均でもわずか58%の人しか、家に自分らしさが反映されていると感じられていないのに、日本では37%で37ヵ国中、下から2番目です。日本の若い世代の間では33%にとどまっています。家に自分らしさが反映されていると、家をもっと好きになる傾向がありますが、ほとんどの人がそう感じていないようです。

家に自分らしさが反映されているとき、家がメンタル・ウェルビーイング(精神的に満たされた状態)の源だと考える傾向が1.7倍であることもわかりました。

 


 

・理想の家に重要なことは、日本の66%が「くつろげる、リラックスできること」と回答

 

また理想の家に重要なことを質問したところ、世界平均54%に対し日本の66%が「くつろげる、リラックスできる」に回答しました。続いて「趣味のためのスペースがあること」「一緒に暮らす人とのつながりを育むこと」が続く結果となりました。

 

 

 

・家にくつろぎの場所を求めているが、ものが多く決まった収納場所がないことが不満

 

日本人が家に対して不満を感じる理由のTop3は、「置き場所の定まっていないものがたくさんありすぎる」「整理整頓されていないスペース、または目的のないスペース」「家事をしないといけない(洗濯、掃除、料理など)」でした。くつろげる理想の家で暮らすためには、収納の問題を解決し、家事の負担を家族で分け合うことがカギとなりそうです。

 

 

 

・「自宅では住人全員のプライバシーを確保できている」と回答したのは23%(世界41%)

 

「家では自分らしくいられる」と回答した日本人は63%と世界平均の65%と同等でした。しかし「自宅では住人全員のプライバシーを確保できている」と回答したのは23%(世界41%)と同様に低い結果になりました。

 

イケアでは家での暮らしにおける課題や夢を把握し、約80年にわたるホームファニッシングビジネスから培った家での暮らしに関する経験や知識を活かしながら、常に今の日本の暮らしにあったアイデアを届けるために、世界規模での調査に加え、日本国内での活動として、各店舗においてホームビジット(家への訪問)を実施しています。今の家での暮らしには何が重要で、それをさらに改善するためにイケアがどのようにお手伝いできるかを把握するためです。

日本でインタビューを実施したところ、子どもを優先させ自分のためのスペースを諦めた父親が、家で自分らしさを感じられず難しさを感じていました。子どもたちのスペースを優先させ、「親」というレッテルから解放されて自分たちの趣味を楽しみ自分らしくいられる場所を犠牲にしていることがわかりました。日本では共に暮らす人と共有する限られたスペースの中で、自分自身になれる方法を模索しながら過ごす人が多いことが伺えます。
 

調査結果について

イケア・ジャパンのCountry Consumer & Customer Insights Managerの小佐井 彩氏は「家に自分らしさを反映させることで、ポジティブな効果は期待できます。日本では、家は『住む場所』であり、機能性、住んでいる人、住んでいる場所などとリンクして捉えていることが多く、家と自分らしさや感情的な側面とのリンクは強くないように思われます。自分の家での暮らしをほかの人がどう思うかを気にする日本人は4%のみで、グローバル平均8%よりも下回りました。自分の大切なもの、空間全体のよりよい使いかた、一緒に暮らす人たちを通して、ひとり一人が家に自分らしさを表現することにより、みんなが快適に過ごせる理想の家を実現できるでしょう」と分析しています。

Ingkaグループ  Life At Home Communication LeaderのKatie McCrory氏は、「感染対策で何年も家に閉じこもりがちだった人が、生活費高騰の影響で節約をするために再び家に留まることになるかもしれません。家で過ごす時間が増える可能性があるにも関わらず、家が楽しさをもっとも感じさせてくれる場所と答えている人は世界の半数である56%でした。また世界の5人に4人は、ものが散らかっていることや家事などにより家での暮らしにいつもストレスを感じていると答えています」とおっしゃっています。
 

理想の家は「くつろげる、リラックスできること」、「家では自分らしくいられる」と多くの日本人は回答しました。これは、コロナ渦で働き方が変わり、行き先不透明な世界情勢に不安を感じながらも、『家』を大切にしたい人々の気持ちの現われです。

イケア・ジャパンでは多様なお客さまのニーズや好みに合ったソリューションをお届けできるよう、デモクラティックデザイン*をもとに開発された約9,500点の商品で、さまざまなスタイルのコーディネート方法をイケア店舗やウェブサイトで紹介しています。それらを参考にすることもよいし、インテリアコーディネートは難しいと感じた方は、知識と経験の豊富な専任アドバイザーによるインテリアプランニングサービスを利用するのも家での快適な過ごし方の近道です。

毎日を快適に過ごせることがすべてにおいての原動力になります。ストレスに感じていることは少しずつでいいので、いろいろなことを工夫しながら改善してみてください。

 

*デモクラティックデザイン:イケアの商品はすべて「デモクラティックデザイン」と呼ばれる5つの要素(優れたデザイン、機能性、品質、サステナビリティ、低価格)を考慮してデザインされています。デザインの美しさはもちろん、機能的で長持ち、人と地球にやさしく、誰にでも手の届く価格であることが大切だとイケアは考えます。

 

テクニカルノート
この定量調査は、Ingka Holding B.V. (Ingkaグループ)に代わってYouGovが実施したものです。YouGovは、国際的なリサーチおよびデータ分析グループです。定量調査は、37カ国の18歳以上の人々からなる国民代表サンプルを対象にオンライン調査として実施され、合計37,405人からの調査結果を得ました。対象国は次の通りです:
オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、中国、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、インド、アイルランド、イタリア、日本、ラトビア、リトアニア、マレーシア、オランダ、ノルウェー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、シンガポール、スロバキア、スロベニア、韓国、スペイン、スウェーデン、スイス、タイ、イギリス、アメリカ。
データの収集は、2022年7月から8月の期間に行われました。性別、年齢、地域に対して割当(クォータ)を適用し、結果がターゲットグループの母集団を表すよう、データは、各国の統計から計算された理想的なウェイトに基づいて、性別、年齢、地域の側面に従ってウェイト調整されています。

Life at Home Report 2022(ウェブサイト): https://www.ikea.com/jp/ja/life-at-home/
レポート全文: https://www.ikea.com/jp/ja/files/pdf/f1/ee/f1eefc03/ikea-life-at-home-report-2022-ja.pdf
日本のハイライト: https://www.ikea.com/jp/ja/files/pdf/e2/af/e2af179e/ikea-life-at-home-report-2022-japan-highlight-ja.pdf

 

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イケア・ジャパン

https://www.ikea.com/jp/ja/

 

 

 

(文:制作_インテリア情報サイト編集部_3  /  更新日:2023.01.30)

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