【取材・レポート】「HIBIYA CENTRAL MARKET」東京ミッドタウン日比谷にオープン

 

 

クリエイティブディレクター南貴之と老舗書店の「有隣堂」による
複合型店舗「HIBIYA CENTRAL MARKET」
東京ミッドタウン日比谷にオープン

 

日比谷を舞台に三井不動産が手がける一大プロジェクト「東京ミッドタウン日比谷」が2018年3月29日(木)グランドオープンします。B1F~7Fフロアの商業空間には、シネマコンプレックスに加え、個性あふれる60 店舗が集まりました。インテリア情報サイトでは、全体の施設概要、飲食店、物販店など数回にわたりご紹介していきます。

 

 

 

HIBIYA CENTRAL MARKET (ヒビヤセントラルマーケット)

これまでにさまざまな地域で、その地域特性を活かした新しい書店を提案してきた有隣堂は、クリエイティブディレクター南貴之氏を迎え、「ヒビヤ セントラル マーケット 」をオープンします。

 


書店の再定義が必要な時代に改めて考える"面白い店"

日比谷公会堂や東京宝塚劇場、帝国劇場がある日比谷は芸術・文化を育んできた街です。そして、「東京ミッドタウン比谷」は、この街に訪れる高感度な人々の心を躍らせ、華やかな気持ちにしようという新たな商業施設です。この場所で「今までにないお店をやりませんか」と声をかけて頂き、「日本で一番新しくてかっこいい書店を作る」という思いで出店申し込みを決断しました。

「東京ミッドタウン日比谷」にどんな書店を作るか、コンセプトを練っている時期に、南貴之さんに出会い、初めてお話をさせて頂きました。南さんが考えるおもしろいお店とは、「いままでにない店」という、シンプルで、しかし本質を鋭くついた、その考え方に共感し、感銘を覚えました。そして、この店を、南さんにプロデュースして頂きたいと決めました。この時、僕の仕事は「日本で一番新しくてかっこいい書店を作る」ことから「南貴之の世界観を存分に出してもらうためのサポート」に代わったわけです。ただ、一つ悩んだのは本の扱いです。当初は書店での出店を考えていたため、108年に亘って本を売ってきた当社が本を扱わない店を作ることは勇気のいることでした。しかし、南さんの世界観を100%出すために、こちらからの注文はなるべく少なくしたかった。悩んだ後、南さんに「本は売らなくてよいです」と言いました。

有隣堂は「本」という「モノ」 だけではなく、「モノ」 を通じて「情報」や「娯楽」、あるいは「夢」を売ってきたと考えています。書籍が売れなくなってきて「書店」を再定義しなければならない時期でもあり、あえて本にこだわることもない、それよりも南さんの世界を存分に発揮して頂きたい、と思いました。しかし、南さんは 「本は必要だから売ります」 と言ってくれた。これは嬉しかったですね。「HIBIYA CENTRAL MARKET」は今までにない店を目指しているから実際にどんな場所になるかはできてみないと分からない。できてからも変わり続ける。そんな店だと思っています。僕も楽しみにしています。

松信 健太郎 / 株式会社 有隣堂 専務取締役

 

 

 

目的がなくても1日中過ごせる老若男女の居場所を作る

「東京ミッドタウン日比谷」という巨大な商業施設の、さらに中にある複合施設「HIBIYA CENTRAL MARKET」は、カオティックな市場や街のような場所になりました。商業施設はあまりにコントロールしすぎると、どこも似たような風景になってしまいます。だからあえてコントロールしすぎることなく、“そこに行かないと体験できないようなもの”を作らないといけないと思いました。

「HIBIYA CENTRAL MARKET」は、僕がこれまで国内外で見てきた色々な記憶の集積やつぎはぎです。何か用事がないと来られない・買い物をしないといけない、というわけではなく「目的がなくてもいられる居場所」でありたい。「店」はサービスや商品を得る場所ですが、その前に 「人が集まる場所」であるべきだと思っているからです。

海外のマーケットを訪れると、通路にまで人や店がせり出して、勝手に椅子やソファーを引っ張り出してきておじさんたちが昼間からダベっていたりします。それが彼らの日常で、市場の活気に繋がっている。色々な物や人が入り混じっている様が興味深かったんです。日本の公道は整備されていて、なかなかそういった景色は生まれないので、「HIBIYA CENTRAL MARKET」の“私道”を生かして、そんな“目的がなくてもいられる居場所”を作りたいと思っています。

南貴之 / Creative Director・「HIBIYA CENTRAL MARKET」プロデューサー

 

 


|HIBIYA CENTRAL MARKET 施設内紹介

様々なカテゴリーの9つの店舗が軒を連ね、道を会してそこに行かないと体験できない“目的がなくてもいられる居場所”となっています。
 

 

 

 

 

■ 眼鏡店「CONVEX」




 

フランスのデッドストックのヴィンテージフレームが圧巻の眼鏡店「CONVEX」。札幌のヴィンテージアイウェアショップ「Fre‘quence」の柳原一樹氏の審美眼によって貴重なミュージアムピースまで集まります。

 

 

■ 「Graphpaper」

ギャラリーともセレクトショップともつかないユニークなプレゼンテーションを行う「Graphpaper」。アドバイザーの二村毅氏と共に選び抜いたクオリティの高いものに加え、日比谷という立地ならではのアイテムも取り扱います。

 

 

■ Library



「HIBIYA CENTRAL MARKET」の象徴であり、本と現実世界がリンクする広がりのある場所となるのは「Library」。本棚の壁に囲まれた内側は、海外のバザールのように、世界中の洋服や雑貨、ヨーロッパで集めたアノニマスなヴィンテージが並ぶ。什器であり商品でもあるヴィンテージの家具は売れるたびに入れ替わり、店の様子も変化していきます。

 

 

■AND COFFEE ROASTERS  ■有隣堂   ■FreshService

熊本のスペシャリティコーヒー「AND COFFEE ROASTERS」、「有隣堂」、架空の運送会社をイメージしたモバイル型コンセプトストア「FreshService」では、ハンドドリップによるスペシャリティコーヒーを楽しみながら手に取れる、駅のキオスクのようなデイリーユースなマガジン、日用品、お土産が揃います。

 

 

■理容ヒビヤ



藤井実氏が監修し日本最高峰の衛生管理を誇る「理容ヒビヤ」では、オフィスワーカー向けの理容やグルーミングだけでなく、女性向けのお顔そりサービスも行います。

 

 

■一角

「MAISON CINQUANTE-CINQ」などを手掛ける丸山智博氏による「一角」では、唐揚げにハイボール、蕎麦といった肩の力を抜いて食事と酒を楽しめる。フレンチのエッセンスも少し加え、日本酒はもちろんワインやクラフトジンにも合うメニューを味わうことができます。
 


屋台のような「一角」の周りのスタンドでは、ソムリエによるナチュラルワインスタンドなど、時期によりイベントを開催。

 

看板メニューは鶏唐揚げと蕎麦。味わい深い鶏の旨味と柔らかな鶏唐揚げはハイボールとの相性が抜群。締めの蕎麦は、蕎麦どころ長野・安曇野の出身である丸山氏らしいフレンチのエッセンスも加わり、気軽で親近感が湧くメニューだけれど洗練された味わいを感じる新たな組み合わせが味わえます。

 



鶏のからあげ定食 ¥1,300


ざる蕎麦ランチ ¥1,100~

 


お弁当 ¥600~
 


一角揚げパン ¥570~

ランチタイムには唐揚げと蕎麦、サンドイッチや日替わり定食が登場。また、目の前の日比谷公園などでいただけるようにテイクアウトできるお弁当もあります。さらに喫茶として懐かしい揚げパン、牛乳寒天、抹茶をつかった甘味メニューや、昼酌で寛げるドリンクメニューも豊富に揃います。

丸山智博 / Chihiro Maruyama
1981年長野県安曇野生まれ。かつて神宮前にあったフレンチ「ラミ・デュ・ヴァン・エノ」勤務後、代々木上原にビストロ「メゾン サンカントサンク (MAISON CINQUANTECINQ)」を出店。以降、「グリ(Gris)」「ランタン(Lanterne)」「9STORIES」「Bar à vin MAISON CINQUANTECINQ」を展開。2017年にはギャラリーとレストランの複合ショップ「アエル(AELU)」をオープン。レセプションパーティのケータリング、フードコーディネーター、店舗プロデュース等、様々な活動も行う。

 

【店舗概要】
名称:一角
オープン日:2018年3月29日(木)
住所:東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷3階
         ヒビヤ セントラル マーケット内
営業時間:11:00 - 23:00
       (ランチタイム 11:00-14:00 / 喫茶 14:00-17:00 / 夜 17:00-23:00)
座席数:85席
TEL:03-6205-8996  ※3/29オープン以降開通
hibiya-central-market.jp
 

 

■Tent gallery

軍用テントのファサードが印象的な「Tent gallery」では、ここだからこそできる独創的かつ多様な展示や企画を行います。

 


ヒビヤ セントラル マーケットオープニング企画
「JEAN PROUVÉ」開催

オープニング企画として、20世紀を代表する建築家、デザイナーである名匠ジャン・プルーヴェの展示企画「JEAN PROUVÉ」を「ヒビヤ セントラル マーケット」内「Tent gallery」にて開催。今回展示販売されるのは、ジャン・プルーヴェのアイコニックなチェアやデスクを始め、子供用机やベッドといった希少な家具。シンプルな構造力学のもと設計されたデザイン、機能性とフォルムの美しさを併せ持つプルーヴェのクリエイティブをご覧ください。


JEAN PROUVÉ(ジャン・プルーヴェ)
1901年4月8日、フランス・ナンシー生まれ。自らを「コンストリュクトゥール(建設者)」と呼んだ建築家、デザイナー。金属加工職人として修行したのち、1923年にナンシーに自分の工房をもつ。工芸と建築を融合させたデザイン・制作活動を行うため、現代芸術家連合の創設目なーの一員に加わるが「真似せず・常に最新のハイテク技術を取り入れながら、伝統的な技術も駆使した制作が必要」と自らの思想を確立。1947年に自身の工場を設立後、机上の空論より実戦的な建設者として、パーツから建築していく逆のアプローチで建築部材、構造、住宅工法のシステムを多数開発。素材に精通し、構造や技術への飽くなき探求によって、現代建築の工業化に大きな役目を果たした。「家具の製作にも建築にも違いは無い。」というクリエイション哲学は後世の建築家に多大な影響を与えている。
 

【展示概要】
タイトル JEAN PROUVÉ
会期 2018年3月29日(木) ‒ 4月28日(土)
時間 11:00 ‒ 21:00
会場 ヒビヤ セントラル マーケット / Tent gallery
東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷3階
企画 GALLERY-SIGN
TEL 03-6205-7894 (代表番号)※3/29オープン以降開通
hibiya-central-market.jp

 

 

売り手と買い手が出会い、食事をしたり、買い物をしたり、ただ行き交う人を眺めているだけでも良い居心地のよい場所が“マーケット”です。見知らぬ土地で市場を訪れると、その地で生きる人々の日常を覗き見するようでワクワクします。南貴之氏が、世界中で拾い集めたそんな“市場”や“街角”、“路地”の記憶を、237坪のフロアで表現したヒビヤ セントラル マーケット は、どこか懐かしくもあり、異国的でもありますが、ここが東京の今を感じされてくれる“マーケット”空間です。

 

【施設概要】
HIBIYA CENTRAL MARKET
ヒビヤ セントラル マーケット
〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-1-2
東京ミッドタウン日比谷3F → map

オープン時間:11:00 ‒ 21:00
TEL 03-6205-7894 (代表番号)※3/29オープン以降開通
hibiya-central-market.jp

 

 


hibiya-central-market.jp

 

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(文:制作_インテリア情報サイト編集部-3  /  更新日:2018.03.26)

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