【取材・レポート】清澄白河にオープンしたフラッグシップストア「TOKYOBIKE TOKYO

 

 

【取材・レポート】
トラフ建築設計事務所 設計の
フラッグシップストア「TOKYOBIKE TOKYO」
2021年7月10日(土) 清澄白河にグランドオープン
パートナーショップにThe Plant Society、ARiSE COFFEE

 

 


ヨーロッパやアメリカからアジアまで、海外でも広く展開する株式会社トーキョーバイクは、東京都江東区清澄白河三好に、地上3階建のフラッグシップショップ「TOKYOBIKE TOKYO(トーキョーバイクトーキョー)」を2021年7月10日(土)にオープン。

tokyobike:
https://tokyobike.com
 

「TOKYOBIKE TOKYO」では、自転車販売の他に、旅人が住む人のように街を楽しめる自転車のレンタルサービス、国内外で縁のあるアーティストやブランドとのイベントやエキシビション、暮らしに取り入れたくなるシンプルで質の良い日用品や雑貨の販売を行います。3階にはトーキョーバイクのオフィスが入ります。また、暮らしを豊かにするパートナーとして、植物のある暮らしを提案するメルボルン発の「The Plant Society」、アジア産スペシャルティコーヒーとコーヒーでありながら立ち飲み屋のような空気感が魅力の「ARiSE COFFEE PATTANA」と一緒に場を作ります。旅人から近所の人まで、それぞれが居心地よく時には交わりながら、そこで生まれる新たな偶然を楽しめる空間です。TOKYOBIKE TOKYOを入口に、清澄白河の街をめぐり、心を踊らせるモノや人、風景に出会える場に育つよう、清澄白河で第一歩をスタートします。

倉庫として建てられ使用されていた築58年、地上3階建ての建物が、トラフ建築設計事務所による設計で新たに生まれ変わりました。1階と2階をつなぐ階段を、天井高を活かした大空間に設計し、売り場としてだけでなく、コーヒーを片手に座ったり、イベントも行えるなど、多目的に活用できる場づくりを目指します。

*注:新型コロナウィルス感染拡大の観点から、当面は大規模イベントを予定していません。

 

 

《設計コンセプト》

自転車ブランド“tokyobike”のフラッグシップストアとして清澄白河にオープンした、”TOKYOBIKE TOKYO”の内装計画。築58年の鉄骨造の倉庫を改修した地上3階建てには、tokyobike以外にも、「The Plant Society」の海外1号店や自家焙煎コーヒーショップ「ARiSE COFFEEROASTERS」のスタンドがテナントとして入るため、自転車ファンだけでなく様々な目的を持った人々を受けいれる、大らかな空間が求められた。

 


ファサードは既存のシャッター開口の間口いっぱいに透明度の高いポリカーボネートの建具を設け、外部空間からの連続性を意識した。

 

売り場となる1階と2階をつなぐ階段は、イタリアのスペイン広場を思わせる大階段とした。天井高を活かした大空間は、売り場としてだけでなく、コーヒーを片手に座ったり、イベントも行えるなど、多目的に活用できる。


イベントなど多目的に活用できる大階段


コーヒーを片手に座って休憩ができる大階段

 

階段裏のスペースには、製品の修理を受け付けるメカニックカウンターや、自転車をストックするガレージを大きく確保するため、厚さ4.5mmの溶融亜鉛めっき鋼板と最小限の部材による階段構造とした。
 


大階段下の自転車をストックするガレージ


ポリカーボネートのスライド式扉で保護された自転車ガレージ
 


1階は既存のモルタル床のままとしたことで、エントランスから自転車をひいて店内に入っていくことが出来る。

 

階段の半分はラワン合板で仕上げ、その上には箱型の什器を載せている。モジュール化された什器は積み重ねることができ、商品のディスプレイに可変性をもたせている。

 

2階のキッズ向けの商品をあつかうエリアでは、商品を陳列する壁を配し、“テンプレート”をモチーフに、それぞれの商品の形にくり抜いたニッチ型のディスプレイとした。

 



tokyobikeのオフィスが入る3階では、既存のグリーンの鉄骨構造を活かし、トラス梁に仕込んだ間接照明で落ち着いた執務空間を演出している。
 



全体的に既存の鉄骨造を活かしながら、必要なところに新たな鉄骨ブレースや木梁で補強を行った。新しい白い壁にテクスチャ感のある木毛セメント板を用い、什器はラワン合板やコンパネといったラフな素材で仕上げることによって、既存の建物のテクスチャと融合させている。


緑豊かな公園や美術館、個性的なショップの点在する清澄白河で、街や暮らしの楽しみ方を発信する店舗となるよう、周辺環境とシームレスにつながる自由度と余白のある空間を目指した。


設計コンセプトコメント:トラフ建築設計事務所
画像:インテリア情報サイト編集部

【設計概要】
主要用途: 物販店舗
設計:トラフ建築設計事務所
施工: イシマル
構造設計: オーノJAPAN
家具:ふくい工房
照明計画: BRANCH LIGHTING DESIGN
グラフィック:TAKAIYAMA.inc
延床面積: 389m2
設計期間: 2020.09 -2021.03
施工期間: 2021.02-2021.06



《パートナー》
2Fエリア :The Plant Society Tokyo|プラントソサエティ トーキョー


画像:インテリア情報サイト編集部

建築、デザインのバックグラウンドを持つジェイソンとビジネスパートナーのネイソンの二人が、植物のある暮らしの素晴らしさを伝えようと2016年にメルボルンで設立したプランツクリエーターチーム。メルボルンとシドニーのスタジオ兼ショップの他、百貨店David Jones内でも展開。“植物のある社会”という名前に掲げた設立理念の通り、植物を通じて繋がる人々との温かな関係とコミュニティづくりを目指し、商業施設、個人邸のスタイリングから、植物のメンテナンス、ワークショップなど活動の範囲を広げています。

メルボルン発、ローカルに親しまれてきたプランツショップ The Plant Societyの海外1号店「The Plant Society
Tokyo」では、植物のほか、オーストラリアからの鉢や園芸用品、ホームウェアなど、植物のある暮らしを楽しむために、オーナーのジェイソンがセレクトしたアイテムが揃います。
https://www.theplantsociety.jp/ (東京店) https://theplantsociety.com.au/ (オーストラリア)


1Fエリア:ARiSE COFFEE PATTANA|アライズコーヒー パッタナー
「クオリティは高く、敷居は低く」をテーマに、焙煎キャリア20年、清澄白河コーヒーシーンのオリジネーターである林大樹が2013年に創業したアライズコーヒーは、世界各国からセレクトした生豆を熟練の技術で焙煎、販売していま す。タイ、フィリピン、ベトナム、ラオス他、東南アジア諸国に独自のネットワークを持ち、日本に流通の無いマイクロ ロットのアジア産スペシャルティコーヒーを多数ラインナップしています。 2013年に最初の店舗として清澄白河に開いたARiSE COFFEE ROASTERSは「1杯のコーヒーを介した国際人間交差点」とも呼ばれています。新店舗となるARiSE COFFEE PATTANAの「PATTANA=!"#$」は発展や進歩を意味するタイ語。「アジア産スペシャルティコーヒーの旗手」というパブリックイメージを踏襲しつつ、 コーヒー生産国に対するリスペクトと今後もその更なる発展に関わるという意志が込められています。
https://arisecoffee.jp/


《クリエイター紹介》
・トラフ建築設計事務所/ TOKYOBIKE TOKYO 設計
鈴野浩一(すずの こういち)と禿真哉(かむろ しんや)により2004年に設立。建 築の設計をはじめ、インテリア、展覧会会場構成、プロダクトデザイン、空間イ ンスタレーションやムービー制作への参加など多岐に渡り、建築的な思考をベース に取り組んでいる。主な作品に「テンプレート イン クラスカ」「NIKE 1LOVE」「港 北の住宅」「空気の器」「ガリバーテーブル」「Big T」など。「光の織機(Canon Milano Salone 2011)」は、会期中の最も優れた展示としてエリータデザインア ワード最優秀賞に選ばれた。2015年「空気の器」が、モントリオール美術館におい て、永久コレクションに認定。2011年「空気の器の本」、作品集「TORAFU ARCHITECTS 2004-2011 トラフ建築設計事務所のアイデアとプロセス」 (ともに 美術出版社)、2012年絵本「トラフの小さな都市計画」 (平凡社)、2016年「トラフ 建築設計事務所インサイド・アウト」(TOTO出版)を刊行。
http://torafu.com

・TAKAIYAMA inc.(高い山株式会社)
TOKYOBIKE TOKYO ロゴ、建築および館内サイン&グラフィックを担当。
書籍、広告、ブランドデザイン、建築サインなど、平面から空間まで、グラフィックデザインを軸に活動。

 

 

【店舗概要】
TOKYOBIKE TOKYO  
住所 〒135-0022 東京都江東区三好3-7-2
TEL 050-1751-2819
MAIL tokyo@tokyobike.com
開業日 2021年7月10日(土) 
ウェブサイト https://tokyobike.com
 


tokyobikeについて
1997年に創業し、2002年より、自転車の製造販売をスタートしました。街を楽しむプロフェッショナルとして、速く走ることや移動することを目的とするのではなく、日常にささやかな変化を加えるためのツールとしての自転車を提供しています。のびのびとそれぞれのペースで人生を謳歌する人たちが集い、東京でありながらのんびりした時間が流れる街谷中でスタートし、”TOKYO SLOW”というコンセプトを世界へ発信してきました。tokyobikeからのレンタサイクルサービスの提供や、ホテルによるレンタルサイクルへの採用により、HOTEL K5 /東京 日本橋兜町、マンダリン オリエンタル 東京 /東京 日本橋、エースホテル京都 /京都、など、多数の宿泊施設でも、tokyobikeをご使用いただくことができます。コンセプトに共感したブランドとの共同企画開発などにも挑戦し、スニーカーやサングラスなど販売しています。

・日本国内直営店
tokyobike 谷中 (東京都台東区) 、tokyobike 吉祥寺 (東京都武蔵野市) 、tokyobike 中目黒 (東京都目黒区)
・パートナーショップ
Tokyobike Plus 豪徳寺(東京都世田谷区)、Tokyobike Plus 福岡(福岡県福岡市)
・海外のトーキョーバイク直営店・取り扱い店
ロンドン、L.A.、ベルリン、ミラノ、マドリッド、プラハ、バンコク、ドバイ、テルアビブ、ジャカルタ、台北など、海外の主要都市に展開。

 

 

 

(文:制作_インテリア情報サイト編集部-1  /  更新日:2021.07.05)

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