20世紀を代表する椅子のデザイン一覧 Vol.6

 

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20世紀のデザイン史は、伝統の再生や新しい発見を繰り返し、文化と日常生活の中で多様化して来た。常に変化する消費者の好み、商業的優先順位、生産技術の発展などに対応しながら空間提案・デザインを形作られた。
現代の生活に適応する多くの「20世紀の名作椅子」の代表作を年代順に辿ってみよう。

 

アメリカでは、ミッドセンチュリースタイルと呼ばれるシンプルで軽やかな椅子が、金属とFRPによって完成された。また、当時最先端技術だった成型合板を使って、美しく実用的な椅子が、軽量で耐久性に富んだ新しい材質で生まれていった。三次曲面で体を支えるデザインや、ポップで大量生産ができるインテリアアイテムが、チャールズ&レイ・イームズ、ジョージ・ネルソンらによって生み出されていった。

 

 

 

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D(ダイニング)C(チェア)W(ウッド)、三次曲面の座面と背、前後の脚、背柱の5つのパーツをプライウッド(成型合板)で作った。この技術は第二次世界大戦での医療用装具に使われ、成型合板の技術躍進は、戦後椅子のデザインに活用され大ブレイクした。三次曲面の座面と背は、座った時に体に添うようなラインとなっており、シンプルな美しさがある椅子である。MOMA永久コレクション。

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LCW_L(ラウンジ)C(チェア)W(ウッド)、体にフィットする曲面がダイニングチェアより広く、座は低く、くつろげる。
DCM_D(ダイニング)C(チェア)M(メタル)、テーブルの高さに合わせた座面で、脚部はスチール。
LCM_L(ラウンジ)C(チェア)M(メタル)、脚部をスチールメタルにしたため、軽くて持ち運びしやすい。

 

 

 

 

 

 

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雲の形のような座をFRP(ガラス繊維強化プラスチック)で加工し、細いスチールで支えた。MoMA主催の「ローコスト家具デザイン国際コンペ」に出品、彫刻家ガストン・ラシェーズの作品から影響を受けた。当時の技術ではフォルムの量産は困難で、製造は1990年からとなった。

 

 

 

 

 

 

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ウームとは子宮という意味で、FRPの一体成型が人体のような曲線をつくり、その中にいるような安らぎに包まれて座る。1940年、MOMA主催のコンペにチャールズ・イームズとエーロ・サーリネンが共同で出品。当時最先端技術だった成型合板を使って作品を制作し、入賞した椅子が原型といわれる。
フィンランドで生まれ、12歳に家族でアメリカへ移住。建築家、家具デザイナー。

 

 

 

 

 

 

 

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シンプルで無駄を省いたデザインは、低コストで大量生産ができ、美しさを備え、カラーバリエーションも豊富。プラスティック(ポリプロピレン)を一体成型した座面は、座った時にくつろげる体にフィットする曲面。座、背をプラスチィックで一体成型したシェル(座面)の種類は、「サイドシェル」と肘掛けのある「アームシェル」。現在はFRPからリサイクルできるポリプロピレン樹脂製のシェルに変更された。
ベース(脚)の種類 は、①スタッキング ②エッフェル ③Xベース(4本脚) ④ダウエルレッグ ⑤ラウンジ/キャッツクレイドル「あやとり」 ⑥ロッカー ⑦キャスター。 シェルとベースを各々換えることで、用途にあった様々なバリエーションの椅子が選べる。

 

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①DSS_座はFRP、脚はスチールパイプ。椅子同士を横方向に連結できる金具が付き、スタッキング時も金具で重なる。
②DKR_一体成型のワイヤーメッシュチェア。ワイヤーカラーと座・背にカバーパッドを付けられる。脚は軽やかなエッフェルベース。
③DSX_シンプルな4本脚のタイプで、X状に交差されていたことからXベース。現在は強度を持たせるためH型の脚となった。
④DSW_FRP・スチール・木という異素材の組み合わせは「ダウエル・レッグ」と呼ばれ、フローリングの床と相性が良い。

⑤LAR_FRPで肘掛け、座、背をプラスチィックで一体成型したシェル(座面)に、スチールロッドをトラス状に組んだ通称Cat's Cradle(あやとり)ベース。
⑥RAR_アーム付きのシェルと、木製のロッカーがついたゆらゆらと動くロッキングベース。

 

 

 

 

 

 

 

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細いスチールワイヤーを一本づつ曲げて成型してから溶接して、造形の美しさと技術の調和のある金属シェルを作った。「ベルトイア・サイドチェア」との2脚が評価されたことで、専門の金属彫刻に専念できた。
1915年、イタリア生まれ、15歳のときに家族でアメリカに移住。クランブルック美術アカデミーで金属工房を設立、指導する。金属彫刻家。

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他作品: 「ベルトイア・サイドチェア」

 

 

 

 

 

 

 

(文:小竹 みちえ  /  更新日:2016.05.25)

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