インテリアの知識 建具編 Vol.9 障子紙

障子紙

建具とは閉てる具の意味で、建築の開口部を開閉するものの総称です。

工業製品の建具は、サッシもドアも戸と枠が対で生産されますが、従来建具は建具職人が制作し、枠は建築本体の造作材としてつくりこまれてきました。

一方、伝統的な日本の建具の最大の特徴としては、柱と柱の間に建て入れて、鴨居と敷居に彫った溝の中を滑って動く、スライド式の引き戸であることでした。ドアのように建具を前後に動かす開き戸方式では開放スペースが必要ですが、引き戸は場所をとらず、スライドさせるだけで、簡単に部屋をつないだり、区切ったりすることが出来ます。こうした機構によって、引き戸は日本の室内空間に見合う建具として、開き戸よりも普及していきました。

 

<障子紙>
紙一枚だけで外と内を仕切る障子は、素材となる紙に透光性と強靭さがともに求められます。
障子紙はもともと、楮(こうぞ)を主原料とする手漉き和紙を使ってきました。
和紙張りの障子は、光の透過率が40~50%とされています。つまり、直射日光の半分を透過することで日当たりの暖かさを感じさせつつ、残る半分は遮断してくれるわけです。
障子紙に差し込んだ光は、紙に垂直な方向を最大として各方向に拡散します。このため、障子を通すと部屋全体に均一なやわらかい光が回ります。

また、障子は夜間には壁の一部として照明光を反射します。透明ガラスの反射率10%に対して、障子紙は35~45%。光をやわらかく反射することで照明効率を高める効果があります。
さらに、和紙は軽くて強い天然繊維を「薪を乱雑に積重ねた恰好」に重ねてシート状にしたものですから、繊維間にスキ間が数多く生じており、保温・調湿作用を持っています。そのため、室内への日射熱を抑えたり、湿った空気を遮る作用もあります。

○ 障子紙の材質と種類
障子紙の種類

○ 分 類
分類は、使用するレーヨン、マニラ麻、楮(こうぞ)など長繊維原料の混合率によって下表のようになります。
障子紙の分類






○ 材 料
材料

手漉き障子紙の産地では、美濃(岐阜県)、内山(長野県)、土佐(高知県)が著名ですが、その他全国の和紙産地でも広く生産されています。
経年で白みが増すといわれっている美濃紙は風合いにも品位があり、障子紙では最高級。内山紙は強度に優れるのが特徴で、実用に向いています。土佐紙は非常に素朴な味わいを持ち、侘びた感じを出したい茶室などに重宝されます。また、新潟の小国紙(おぐにがみ)、高知県の十川泉貨紙(とかわせんかし)、山形県の上の山紙なども使われています。

 

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(文:インテリア情報サイト編集部-2  /  更新日:2015.10.19)

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