インテリアの知識 建具編 Vol.7 襖紙

襖紙

建具とは閉てる具の意味で、建築の開口部を開閉するものの総称です。

工業製品の建具は、サッシもドアも戸と枠が対で生産されますが、従来建具は建具職人が制作し、枠は建築本体の造作材としてつくりこまれてきました。

一方、伝統的な日本の建具の最大の特徴としては、柱と柱の間に建て入れて、鴨居と敷居に彫った溝の中を滑って動く、スライド式の引き戸であることでした。ドアのように建具を前後に動かす開き戸方式では開放スペースが必要ですが、引き戸は場所をとらず、スライドさせるだけで、簡単に部屋をつないだり、区切ったりすることが出来ます。こうした機構によって、引き戸は日本の室内空間に見合う建具として、開き戸よりも普及していきました。


襖 紙

誕生した当初は、絹などの織物を上張りしていた襖が、紙の上張り中心になったのは平安時代半ばでした。中国風の唐絵や、山水をモチーフにした大和絵が描かれ、室内の装飾として大きな要素になっていました。やがて、中国から輸入していた紋唐紙を国内で模造した「唐紙」も襖に張られるようになりました。これは唐紙障子と呼ばれていました。この名残りで襖は「からかみ」とも呼ばれています。

古来から現在まで、襖紙として代表的なのが、福井県今立町でつくる鳥の子紙。手漉きと機械漉きがあり、機械漉きでは手加工や印刷、エンボスなどを施したものが主流を占めています。また、紙で裏打ちした織物の襖紙も用いられています。

<多用な種類がある鳥の子紙>
現在、一般に鳥の子と呼ばれるものは幅広くあり、漉き方原料も様々な種類があります。

本来の鳥の子紙とは、雁皮(がんぴ)だけで手漉きした紙を指します。非常に薄くても強靭で緻密、うっすら卵色を帯びていることから「鳥の子」の別名がつきました。平安時代には「うすよう」とも呼ばれて広く好まれ、『源氏物語』などにもたびたび登場します。原料の雁皮は現在でも野生に頼らざるを得ず、時代を通じて貴重品となっています。
 

襖紙の種類

<京からかみ、江戸からかみ>
​紙への加飾の方法には多種ありますが、一般に「からかみ」といわれる襖紙の場合、木版による雲母押し(きらおし)が代表的な技法です。これは、文様を彫った版木に、篩(ふるい)という特有の道具を使って具(胡粉に顔料や布海苔を混ぜた絵の具)や雲母を移し、紙を乗せて掌で撫でて柄をつけるものです。雲母のひかえめなきらめきは、伝統的な日本家屋のほのかな明るさの中で、最大の効果を発揮します。

からかみにも「京からかみ」「江戸からかみ」があります。
「京からかみ」は木版摺りを重視したのに対し、「江戸からかみ」は京からかみ文様を基調としながらも、型紙による捺染や刷毛引きなど多くの技法で作られるのが特長です。

京からかみと江戸からかみ
その文様は、武家や町人の好みを反映した自由闊達で粋なものでした。また、より早く大量につくるために、渋型紙を使った捺染(なつせん)や、刷毛引きなどの技法も生まれ、いまに続いています。


 

 

 

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(文:インテリア情報サイト編集部-2  /  更新日:2015.10.15)

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