【空間デザイン】赤羽美和のスウェーデンホスピタルアートプロジェクトが完成

 

スウェーデン公共建築に適用される「1%ルール」
赤羽美和 ホスピタルアートプロジェクトが完成

 

イラストやテキスタイルデザインで活躍のデザイナー・赤羽美和氏から、スウェーデン・ストックホルムのホスピタルアートプロジェクト完成のニュースレーターが届いていますのでご紹介します。

 

デザイナーの赤羽美和が3年をかけたセント・ゴーラン病院救急病棟(スウェーデン・ストックホルム)のホスピタルアートプロジェクトが完成しました。プロジェクトは、スウェーデンの公共建築に適用される「1%ルール」によって2013年に実施されたコンペで獲得したもの。病院スタッフとのワークショップを通じて生まれたパターンを元にデザインした陶板タイル作品やガラスパーテーション、壁紙が病棟内を彩っています。

 




病院スタッフとのワークショップ

 

グループのひとつが完成させたドローイング。

 


ドローイングから赤羽が発想を広げ、仕上げていった作品。陶板にシルクプリントされたもので滋賀県で制作された。

 


階段の踊り場。スウェーデンの四季を表わす色で構成。

 

 


待合室の壁面や処置室のパーティション。

Photos: Hironori Tsukue

 


コンセプトは “対話”

対話とは、病院スタッフと患者、その家族、知人友人。または病院スタッフ同士。患者同士。病院を訪れる人すべての人同士。そして、日本とスウェーデン、赤羽自身とこのプロジェクトを指している。

まず、病院スタッフとワークショップを行った。スタッフ自身にも自分たちの作品として、より愛着をもってもらいたいという想いからだ。ワークショップは、ペンやクレヨン、スタンプ、折り紙、 ステッカー、テープ等の身近な画材を使い、大きな紙の上に丸、三角、四角だけで、言葉は使わずにラリーをするようにドローイングするというもの。対話として展開された造形は、まるで図形楽譜のようでもあり、ジャズのジャムセッションの軌跡のようでもある。

そうして出来たドローイングと赤羽自身との対話を通じて、気になるディティールから発想を広げ、パターンを回転あるいはリピートするなどして最終的なパターンをつくり上げた。

 

 

 

 

「1%ルール」とは
スウェーデンでは「人は誰でも文化的に最低限保証された生活を送る権利がある」という考えから、公共建築の新築・改築に際して、全体予算の最低1%をアートに充てるという1937年に導入された法律(病院の場合は2%まで)がある。ストックホルム地方自治体の芸術部門は、2012年以来、芸術作品のコミッションにおいて、スウェーデン国内外を問わずプロの芸術家からの申し込みを受け入れるというオープンな選考方法を取っている。
 
 


ABOUT:赤羽美和
武蔵野美術大学卒業後、サントリー宣伝制作部、株式会社サン・アドにて多数の広告制作に携わった後、テキスタイルパターンの永続的なストーリー性に魅せられ、スウェーデン国立芸術工芸デザイン大学に留学。帰国後はサーフェイスパターンを主なフィールドに、フリーランスのデザイナー/イラストレーターとして活動。対話をテーマに人々を招いたワークショップやプロジェクトも行う。
www.miwaakabane.com

 
 
 
 

(文:インテリア情報サイト編集部-1  /  更新日:2016.07.07)

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