リノベーション体験記vol.6―きっと大丈夫

リノベーション体験記vol.6―きっと大丈夫


「築25年マンション、95㎡、眺望よし、東南東向きの角部屋」という物件をリノベーション前提で購入したインテリア情報サイト編集部スタッフK一家の、家が完成するまでのリノベーション体験記。
 

打ち合わせの帰り道。夫がすっきりした口調で「もうあの先生に決まりだね」と言うのに驚きました。まさに図星だったのです。
「うん、でもなんで?」
「この前の時に比べて、君がものすごくイキイキしてたから」

 

実は、契約前に仲介会社の営業さんの紹介で関連のリフォーム会社の方が来られ、少し相談をしていました。けれど、提案内容も話の進め方も私にはピンと来ず、違和感を覚えるばかりだったのです。それに比べこの日の私は、確かにかなりはしゃいでいました。そして夫の言う通り、これ以上ほかの業者さんを探す気にはなれませんでした。

半年後の竣工を目指す当時の私たちにあまり時間がなかった、というのも理由としてあります。けれど何より、M先生との打ち合わせで、見積もりもまだもらっていないのに「この方なら、イメージ通りの家を作ってくれるだろう」「この方なら、予算大幅オーバーの素敵なプランを持ってきて私たち(というか、私)を苦しめたりしないだろう」という安心感をなぜか覚えたのです。

その時点でまだ契約はしていないものの、私たちは「ほぼ直感」で依頼先を決めてしまったのでした。もう少しいろいろな方の話を聞いて、検討するのが普通でしょう。けれど、結果的に愛着が持てる家を作って頂けたので、私たちとしては何の問題もなかった、と思っています。


 

2度目の打ち合わせでイメージを共有

その後施工会社の方を交えての現地視察があり、さらに2週間ほど経ったある日、M先生から「プラン検討中だが一度意見交換をしたい」という連絡を頂いて、打ち合わせをしました。

前回の断片的な話ではデザインコンセプトが湧きにくかったので、普段の暮らしの中で好きなことなどについて教えて欲しい、とのこと。私はここぞとばかりに、前回出しそびれた雑誌の切り抜きを広げました。

 

rinobe6_image1.jpg



私「イメージはこんな感じで(切り抜きを見せながら)、シンプルですっきりしたのがいいです。
建具の木目は横向きがよくて、ここはけっこう重要なんです。家の中に垂直線がたくさんあるよりも、水平線がたくさんある方が好きで。リビングに入るドアは、例えばこんな横桟の入ったガラス戸みたいなのがいいかなと…」

先生「ドアは必要ですか?」
私「玄関を開けてすぐリビングが見えるのは嫌だと、夫が言ってました」
先生「そうですか、分かりました。こういう横桟の引き戸ですね…ここからデザインのイメージを組み立てられそうですね」

 

 

rinobe6_image2.jpg私「あと私、『影』が好きなんですね。こんな感じで(また切り抜きを見せながら)緑に包まれた一軒家とか、木の葉の影が室内で揺れてる感じとかに憧れるんですよ。そういうのを感じられる空間がいいですね。木の葉を通した陽射しって少し緑がかった色になるんですけど…」

先生「…(含み笑い)…」

私「あっ、脱線してますよね」
先生「…まあ、それについてはベランダに観葉植物か何か置けば…」
私「…ですよね」
先生「でも、おっしゃることはよく分かります。お話をもとに次回イメージを出してみますので。この切り抜きのコピーは頂いて行っていいですか?」
私「あ、はい、お願いします」

暴走しながらも、なんとかイメージを伝えることはできたようです。

 


プランについての具体的な相談も始まる

その他、前回出してあった要望に対するレスポンスもいくつか頂きました。

例えば、洋室2を少し拡げて入口付近に妻のワークスペースを作りたい、という要望。10年ほど経ったら本棚で仕切り、「子供部屋+ワークスペースとしての小部屋」という形で使うつもりでした。

これに対して先生は、「思春期の子供にとって、自分の部屋が親の居場所とつながっているのは厳しい。将来はワークスペースを和室などに移動したほうがよいと思います。洋室の広さは現状通りでいいのではないでしょうか」と。

 

plan2_1311.jpg


確かに10年後私のワークスペースが必要だという保証はないのだから、そのためにわざわざ壁を動かすのは危険かも。無駄になったら悲しすぎる。
かといって、和室に本棚がむき出しで置いてあるのはいやだなあ。本棚がすっぽり隠れるように、収納部分を大きく作っておけば大丈夫かも。10年後にはノートPCに買い替えているから、デスクは小さめの座卓などで大丈夫だろう。

そう考えて、先生の提案通り、わざわざ閉じた空間を作るのはやめて現状のまま使うことにしたのでした。

次回へ続きます。

 

 

※この記事は中古のマンションをリノベーションしたインテリア情報サイト編集部スタッフの執筆によるものです。

記事監修 矢野 恵子

住宅リフォーム会社勤務を経て1993年独立。2000年有限会社アトリエケイアンドワイ設立。住宅・店舗の企画デザイン設計業務の傍ら、会社設立と同時に業界育成事業K&Yインテリアデザインスクールを開校。2009年より長年のインテリア業界での経験を活かした情報と最新情報を発信するWEBサイト「インテリア情報サイト」をオープン。現在インテリア系企業のデザインコンサルタント業務を中心に活動する。



有限会社アトリエケイアンドワイ代表取締役。
K&Y INTERIOR DESIGN SCHOOL 校長 。
インテリア情報サイト編集長。

(文:インテリア情報サイト編集部-1  /  更新日:2014.10.26)

この記事へのメンバーの評価

  
  • まだコメントがありません。

バックナンバー

Knowledge and Skill

Group Site

ページトップへ