カール・ハンセン＆サン社からケアホルムのデスクをコレクションとして発表
ポール・ケアホルムがデザインしたデスクの名作を
カール・ハンセン＆サン社のコレクションとして発表
ポール・ケアホルムが王立芸術アカデミーのためにデザインした家具シリーズがあります。そのデスクがカール・ハンセン＆サン社のコレクションに加わりました。
ポール・ケアホルムは王立芸術アカデミー用にいくつかの家具をデザインしています。それがこの二つのデスク。デンマークの機能主義をリードし、その名を世界に馳せる、ポール・ケアホルムの初期の作品です。そして今年この二つのデスクが、カール・ハンセン＆サン社コレクションの一部として発表されることになりました。
ガラス、皮革、そしてスチール、これはポール・ケアホルムがデザインする家具として誰もが想像する素材です。しかし、木材を使ったデザインにも稀有な才能を発揮しています。特にこれは初期の作品に顕著です。オーガニックな素材を使った家具にもケアホルム独特の美学を見ることができます。コーア・クリントをはじめとする、機能主義を先駆者たちに学び、またハンス J. ウェグナーとも仕事を共にした、ポール・ケアホルム。そんなデンマークを代表する機能主義デザイナーにも、木材という素材の可能性を追求した時代があったのです。
1955年、ポール・ケアホルムが王立芸術アカデミー用にデザインしたデスクにも、これは顕著に現れています。当時アカデミーでは教鞭をとる講師用に、そして授業を受ける生徒用にデスクを必要としていました。こうした需要に応えるべく新任の講師だったケアホルムがデザインしたのは、木の天板とスチールのフレームを組み合わせた、プロフェッサーデスクとスチューデントデスクです。
このデザインのプロセスにおいてケアホルムは、家具職人としての経験とデザイナーとしての知識をフル活用。木工技巧と工業技巧を合体させることを試みたのです。このアプローチは後にケアホルムならではの、独特のデザイン手法となっていったことは言うまでもありません。
「どの空間にもマッチするニュートラルとも言えるイメージを持つ二つのデスクは、ハンス J. ウェグナー、オーレ・ヴァンシャー、そしてコーア・クリントの家具に並ぶ名作デザインです。現代においてもモダンな空間で素晴らし魅力を十二分に発揮する製品だと思います。
天板の素材はいずれもオレゴンパイン材、またはオーク材の突板、仕上げはオイル、またはクリアラッカー塗装。さらにブラック塗装から選択可能です。スチール製のフレームはブラックまたはグレーのラッカー塗装。オプションの引き出しモジュールPK115の素材はオーク材、仕上げはオイル、クリアラッカー塗装、ブラック塗装から選択可能となっています。
プロフェッサーデスクPK52とスチューデントデスクPK52Aは多様な使い方ができる製品です。デスクとしてばかりかダイニングテーブルとしても最適なほか、オフィスや設計事務所のワーキングテーブルにも適しています。ホテルの部屋など、シンプルな空間演出が要求されるあらゆる場所に最適な家具と言えます。
ケアホルムは、機能からアプローチする独特のデザイナーですが、カール・ハンセン＆サン社が関わる他のデザイナーとも密接に関係しています。コーア・クリントからは生徒として、機能的なプロポーションや家具の質を学び、ウェグナーからも共同作業を通して様々な刺激を受けています。ケアホルムはこうした巨匠たちの名作の真髄を継承しつつ、自身の独特なスタイルを築き上げていったのです。このユニークな製品にポール・ケアホルムのデザイナーとしての成長過程を見ることができます。有名デザイナーであろうと自分の意見をはっきりと言い、自分のやり方を通したケアホルム。腕のいい木工家具職人でもあったにもかかわらず、スチール、皮革、フラッグハリヤード、キャンバスといった新素材を積極的に取り入れたケアホルム。当時はまだ斬新だった木材とスチールのコンビネーションへの挑戦。こうしてケアホルムは独特の美しいデザイン言語を確立していったのです。」と、カール・ハンセン＆サン社のCEO、クヌッド・エリック・ハンセン（Knud Erik Hansen）氏。
カール・ハンセン&サンについて
カール・ハンセン＆サンは創業100年を超える歴史のあるデンマーク家具メーカー。ハンスＪ.ウェグナーの家具を最も数多く製作するメーカーとして知られています。また、オーレ・ヴァンシャー、コーア・クリント、ポール・ケアホルム、モーエンス・コッホ、フリッツ・へニングセン、安藤忠雄、EOOSなど世界的に知られたデザイナーの家具の製作にも着手、すべての製品をデンマーク国内で製作しています。カール・ハンセン＆サンのコレクションは、一流ディーラーを通して世界各国で販売されています。
（文：インテリア情報サイト編集部-3 / 更新日：2016.12.05）
