21_21 DESIGN SIGHT 企画展 「虫展 -デザインのお手本-」開催

 



21_21 DESIGN SIGHT 企画展 
「虫展 -デザインのお手本-」開催

 

 


21_21 DESIGN SIGHTでは、2019年7月19日(金) 〜 11月4日(月・祝)の期間、企画展「虫展 -デザインのお手本-」を開催します。展覧会ディレクターにはグラフィックデザイナーの佐藤 卓、企画監修には虫好きとしても知られる解剖学者の養老孟司を迎えます。
 

自然を映し出す存在である、虫。私たちの身近にいながら、実はそのほとんどの生態はわかっていません。虫の色、質感、構造、また習性には、私たちの想像をはるかに超える未知の世界が広がっています。人類よりもずっと長い歴史のなかで進化を続けてきた多様な虫の姿からは、さまざまな創造の可能性が浮かび上がってきます。本展覧会は、知れば知るほど不思議な虫たちを「デザインのお手本」にする試みです。

会場では、デザイナー、建築家、構造家、アーティストたちが、虫から着想を得たさまざまな作品を展示します。小さな身体を支える骨格を人工物に当てはめてみたり、翅を上手にしまう仕組みをロボットに応用してみたり、幼虫がつくり出す巣の構造を建築に当てはめてみたり...。一つの虫をじっくり観察したら、その口、目、脚から驚くような工夫が見つかりました。あるいは、人間が虫と関わってきたなかでつけた名前には面白いルールがありました。

クリエイターが、そして訪れる一人ひとりが、虫の多様性や人間との関係性を通して、デザインの新たな一面を虫から学ぶ展覧会です。

 

 


|  ディレクターズ・メッセージ

 この展覧会は、虫をデザインのお手本ととらえて様々な角度から考察し、そこから得られた情報を元に、これからのデザインの可能性を模索し、作品として展示してみようという試みです。人類史を600万年としても、虫は何億年という単位の永い間、この地球上で繁殖し、激変する環境の中で多様に進化してきました。そしてまだまだ人類が出会っていない虫も多く存在すると言われています。ところが、虫は我々人類の大先輩であるにもかかわらず、ここ東京のような都会ではあまねく駆除する対象になっています。いつの間にか、都会には虫がいてはいけないことになっている。いてはいけないことになっているから、いると その虫がどんな虫かも見ようとせず、反射的に駆除してしまう。しかし待ってください。それは生き物としての大先輩にちょっと失礼ではないのか。小さな頃、昆虫採集に勤しんだ自分の中のそんな気持ちが、この展覧会を開きたいと思うきっかけになりました。そこで早速、鎌倉に虫塚をつくられた、虫が大好きな養老孟司さんに相談し、展覧会の準備が始まりました。その後、虫を研究している方々のお話を聞けば聞くほど、次々に面白い話が出てきたのです。

  虫の世界はとんでもなく面白い。私はこの展覧会の準備を進めながら、さらにそう思うようになりました。彼らがなんでこんなに永い間、生き延びてこられたのか。それだけをとってみても、そこに人類が生き延びていくためのヒントがあるように思えてなりません。この度も多くのクリエイターと共に虫に学び、多様な作品を用意いたしました。身の回りにデザインと関わりのない物事は何一つありません。この展覧会を体験していただき、少しでもこれからのデザインのお手本にしていただければ幸いです。

佐藤 卓

 


佐藤 卓

佐藤 卓
1979年 東京藝術大学デザイン科卒業、1981年 同大学院修了。株式会社電通を経て、1984年 佐藤卓デザイン事務所設立。現 株式会社TSDO 代表。「ニッカウヰスキー ピュアモルト」の商品開発から始まり、「ロッテ キシリトールガム」や「明治おいしい牛乳」のパッケージデザイン、「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」のグラフィックデザイン、「金沢21世紀美術館」、「国立科学博物館」、「全国高等学校野球選手権大会」のシンボルマークデザインなどを手掛ける。また、NHK Eテレ「にほんごであそぼ」アートディレクター、「デザインあ」総合指導、21_21 DESIGN SIGHT ディレクター及び館長を務めるなど多岐にわたって活動。著書に『塑する思考』(新潮社)、『大量生産品のデザイン論 -経済と文化を分けない思考-』(PHP新書)など。

 

 

 

|  虫展に寄せて

  大人にとって、虫はどうでもいいもの、バカにされるものの一つです。でも子どもは虫が好きです。自分より小さいから、親近感がわくのかもしれませんね。

  でも虫を見る面白さに気が付くと、やがてやめられなくなります。これをヘンだと思う人も多いでしょうね。でも一度、まさに虚心坦懐に見てみてくださるといいと思います。とても不思議だと思うようになり、惹きつけられてしまいます。

  虫が嫌いな人もいます。私はクモやゲジゲジが大嫌いですから、その気持ちはわかります。でも全部がそうじゃないですよ。とくに細部を顕微鏡で見たりすると、ビックリするしかありません。

 私たちの感受性は、生きものの三十億年の歴史の中で育ってきたものです。自然を見て育ってきたのですから、その自然と調和しているはずです。

 木の枝に葉が付いています。あれはどういう規則で付いているのでしょうか。太陽は東から登って、ひたすら移動して、夕方には西に沈みます。その間に一本の木が最大限の日照を受けるには、葉をどう配列したらいいのか。いま見ている木の葉の配列は、その問題の解答じゃないんでしょうか。

  教育を受けていくうちに、子どもたちは考えることは問題を解くことだと思わされてしまいます。でも話は逆じゃないんですか。生きものは三十億年の間に、ありとあらゆる問題に直面しつつ、それを解いて生き延びてきた。その解答が目の前にある。私はそう思うんですね。見ているのは問題集の答えだけです。では問題はなんだったのか。そんなふうに思いながら虫を見てもらえると嬉しいと思います。

養老孟司

 


養老孟司 ©︎新潮社

養老孟司
1937年、神奈川県鎌倉市生まれ。1962年 東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。1995年 東京大学医学部教授を退官し、東京大学名誉教授に。著書に『からだの見方』(サントリー学芸賞受賞)『形を読む』『解剖学教室へようこそ』『日本人の身体観』『唯脳論』『バカの壁』『「自分」の壁』『養老孟司の大言論 (I) 〜 (Ⅲ)』『身体巡礼』『骸骨巡礼』『遺言。』など多数。昆虫を通して生命世界を読み解きつつ、「身体の喪失」から来る社会の変化について思索を続けている。

 

 

 

|  展示内容 一部紹介


岡 篤郎+小林真大「MAO MOTH LAOS」(イメージ)

 


隈研吾建築都市設計事務所+アラン・バーデン 新作イメージ

 


隈研吾建築都市設計事務所+江尻憲泰 新作イメージ

 


隈研吾建築都市設計事務所+佐藤 淳 新作イメージ

 


小檜山賢二「トビケラの巣」

 


鈴木啓太「虫の工夫、人の工夫」(イメージ)

 



パーフェクトロン 新作イメージ

 


水江未来「inside the cocoon」(イメージ) 

 


村山 誠「Curculio robustus - dorsal, ventral view」(イメージ)

 


山中俊治 新作イメージ

 

 


■ 関連イベント
◯ オープニングトーク「虫はデザインのお手本」
日時:2019年7月21日(日)14:00-16:00
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
出演:養老孟司、佐藤 卓

◯ トーク「建築家の巣」
日時:2019年8月25日(日)14:00-16:00 
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
出演:隈 研吾、佐藤 卓、ほか

*参加費・参加方法は、21_21 DESIGN SIGHT ウェブサイトをご覧ください 
*この他にも開催期間中、多数のイベントを企画しております

 


 

【開催概要】
企画展「虫展 -デザインのお手本-」
会期:2019年7月19日(金) 〜 11月4日(月・祝) 
休館日:火曜日 (10月22日は開館)
開館時間:10:00–19:00(入場は18:30まで)
入館料:一般 1,200円、大学生 800円、高校生 500円、中学生以下無料 
    *本展より一般の入館料が変更となります
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
   〒107-0052 東京都港区赤坂 9-7-6  →  map
   東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
TEL:03-3475-2121 
アクセス:都営地下鉄大江戸線「六本木」駅 東京メトロ日比谷線「六本木」駅 
     東京メトロ千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分

主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団 
特別協賛:三井不動産株式会社
協賛:株式会社 TSDO
展覧会ディレクター:佐藤 卓
企画監修:養老孟司
展示構成、グラフィックデザイン (告知):岡崎智弘
企画協力:小檜山賢二、丸山宗利、福井敬貴
グラフィックデザイン (会場):向井 翠(TSDO)
会場構成:五十嵐瑠衣 
テキスト:角尾 舞
企画監修協力:足立真穂

参加作家:阿部洋介、石黒 猛、岡 篤郎+小林真大、隈研吾建築都市設計事務所+アラン・バーデン/江尻憲泰/佐藤 淳、小檜山賢二、鈴木啓太、中野豪雄、長谷川弘佳、パーフェクトロン、三澤 遥(日本デザインセンター)、水江未来、向井 翠(TSDO)、村山 誠、 藤田すずか+宇野由希子+阿部憲嗣、山中俊治、吉泉 聡(TAKT PROJECT)、脇田 玲

21_21 DESIGN SIGHT ディレクター:三宅一生、佐藤 卓、深澤直人
アソシエイトディレクター: 川上典李子
プログラム・ディレクター:前村達也
http://www.2121designsight.jp/program/insects/

 

【関連記事】
・【PHOTO】レポート  21_21企画展「虫展 -デザインのお手本-」

 

 

 

 


21_21 DESIGN SIGHT

東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
TEL:03-3475-2121
http://www.2121designsight.jp/

 

 

(文:21_21 DESIGN SIGHT  /  更新日:2019.06.15)

この記事へのメンバーの評価

  
  • まだコメントがありません。

バックナンバー

Knowledge and Skill

Group Site

ページトップへ