21_21 DESIGN SIGHT 企画展 「そこまでやるか」壮大なプロジェクト展 開催

 


21_21 DESIGN SIGHT 企画展
「そこまでやるか」壮大なプロジェクト展 開催

 


21_21 DESIGN SIGHTでは2017年6月23日(金)~10月1日(日)まで、企画展「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」を開催します。展覧会ディレクターには建築やデザイン、アートなど幅広い分野に精通するライターでエディターの青野尚子氏を迎えます。

つくることの喜びとともに、「壮大なプロジェクト」に向かって歩みを進める表現者たち。本展では、既存の表現方法の垣根を超えた大胆な発想を実現するクリエイターたちによる「壮大なプロジェクト」を紹介します。2016年 6月、イタリアのイセオ湖を舞台に「フローティング・ピアーズ」を実現したクリストとジャンヌ=クロード。湖に出現した3kmの布の浮き橋は、やはり布で覆われた周辺の歩道を伴い、風景を鮮やかに更新して人々を高揚させました。時には数十キロにもおよぶ野外空間や大都市のなかの橋、国会議事堂などを作品へと変貌させる、不可能ではないかと思われるようなプロジェクトを実現してきた彼らを本展の出発点として、ダイナミックな手法で活動を行うさまざまな分野の作家が集います。

綿密な計画を練り、多くの人たちの協力と賛同を得ながらプロジェクトを実現する様子は、完成した広大なスケールの作品と合わせて、「そこまでやるか」という驚きに似た感情を見る人に呼び起こします。彼らの姿勢は、自然環境の中での技術的な課題、経済的な問題、時代や情勢の変化など様々な困難に立ち向かう強い意志と情熱、数多くの試行錯誤、そして信念を持って行動する決断力を感じさせます。

また壮大なプロジェクトは、表現者による「壮大な都市計画」の提案とも言えるでしょう。彼らの作品は、一時的あるいは恒久的に街や自然の風景を変えることにより、私たちの生活に浸透していきます。公的機関や企業、有志の人々などさまざまな協力者がプロジェクトに参加し、制作プロセスから関わることによって、協働する楽しみやつくる喜びを体験できることも大きな特徴のひとつです。

彼らが実現する作品は私たちに新しい体験をうながし、これまで思いもつかなかった楽しさと価値観に気づかせてくれます。本展では、そのようなクリエイションが持つ特別な力と、そこから広がっていく喜びを伝えます。

 

 

■ 展示内容

| クリストとジャンヌ=クロード (Christo and Jeanne - Claude)


フローティング・ピアーズ、イタリア・イセオ湖、2014-16でのクリスト (Photo: Wo lfgang Volz)

 

ニューヨークのスタジオでインタビューに応えるクリスト (2017年2月)


クリストとジャンヌ=クロード (Christo and Jeanne - Claude)
60年代初頭から昨年実現した「フローティング・ピアーズ、イタリア・イセオ湖、2014-16」まで。風景を一新してしまうこれら作品の物理的なスケールだけでなく、実現のために費やされた時間のスケールなど、多様な “壮大さ”を伝える。50年を超える創作活動を、本展のためにニューヨークのスタジオで撮りおろしたインタビュー映像、世界初公開となる「フローティング・ピアーズ」のドキュメント映像を中心に、写真、映像を3面のマルチ・プロジェクションで伝える。さらに現在進行中の「マスタバ、アラブ首長国連邦のプロジェクト」をドローイングやコラージュ作品、地図やドキュメント写真で紹介する。

企画構成:柳 正彦

 

 

 

 

| ルツェルン・フェスティバルアーク・ノヴァ(LUCERNE FESTIVAL ARK NOVA)


 ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ   「磯崎 新によるスケッチ」

 


 ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ「福島での開催の様子」(2015年) 

 

ルツェルン・フェスティバルアーク・ノヴァ(LUCERNE FESTIVAL ARK NOVA
2011年の東日本大震災を機に、マイケル・ヘフリガー(ルツェルン・フェスティバル総裁)を発起人として、アニッシュ・
カプーア、磯崎新、梶本眞秀等が協働し、長さ 36メートルの巨大な風船状の可動式コンサートホールを制作。東北で
コンサートを開催したプロジェクト。素材のサンプル、構造の図面、組み立てる際の映像、コンサートの様子などを展示し、壮大かつ分野を跨いだプロジェクトが、東北の人々へと広がる喜びを伝える。


 

 

 

|  ヌーメン/フォー・ユース(Numen/For Use)

ヌーメン/フォー・ユース
「Tape Par is」(Pa lais de Tokyo / Inside, 20.10.14.-11.01.15.) c Numen/For Use

 

ヌーメン/フォー・ユース(Numen/For Use)
舞台美術、インダストリアルデザイン、インスタレーションとテープやネットなどの素材を使い、様々な活動をする
ヌーメン/フォー・ユース。本展では、新作のインスタレーションを制作するほか、場所に応じてインスタレーション
のかたちが変わっていくプロセスを見せる。

 

 

| ダニ・カラヴァン(Dani Karavan)


.ダニ・カラヴァン
「大都市軸」(1980年.現在) c Lionel Pages

 


ダニ・カラヴァン 「ネゲヴ記念碑」(1963.1968年) c Micha Peri

 

ダニ・カラヴァン(Dani Karavan)
作品が設置される場の歴史や風土をふまえたダイナミックな彫刻をつくっているダニ・カラヴァン。本展では、長さ 3キロメートルの「大都市軸(*)」、「ネゲヴ記念碑」2つのプロジェクトのスケッチ、写真などのドキュメントを展示し、綿密なプロセスを見せる。

*「大都市軸」はパリから 45km離れた場所にある進行中のプロジェクトである。このプロジェクトを通して、パリのいくつかのモニュメントを見ることができる。

 

 

| ジョルジュ・ルース(Georges Rousse)


 ジョルジュ・ルース 「Project Tokyo 2017」 c Georges Rousse
 

ジョルジュ・ルース(Georges Rousse)
人の錯視などを利用して、サイトスペシフィックな作品を発表しているジョルジュ・ルース。風景に表れる幾何学模様は、緻密な計算と現場の人々とのコラボレーションによって生まれてきた。本展では、21_21 DESIGN S IGHTの建築空間に合わせた新作のインスタレーションとともに、その写真作品を紹介するほか、過去のプロジェクトのスケッチや映像などを展示する。



| 西野 達

西野 達 「The Mer lion Hotel (Singapore Biennale 2011)」

 


西野 達 「So lar system billiards(2009)」(所蔵 石水美冬)

 

西野 達
シンガポールのマーライオンやニューヨークのコロンブス像などを覆って、ホテルやリビングルームなどプライベート空間を公共空間に設置するプロジェクトを発表してきた西野 達。本展では、21_21 DESIGN SIGHTの建築と融和する体験型新作インスタレーションを発表する。新作とともに、アイデアのスケッチや過去に実現した作品の写真も展示し、アイデアの情熱が迸る展示を予定している。

 

 

 


■ ディレクターズ・メッセージ
「そこまでやるか」。展覧会のタイトルとしては風変わりなフレーズです。この一文に私たちは、「自分にはとてもじゃないけどできないことをやり遂げてしまう人」への素直な驚きと尊敬の念を込めました。そんなの無理、何を夢みたいなこと言ってるの? “常識”があれば絶対にそう言ってしまうようなことを実現させてしまう人々です。彼らは途方もないと思えるようなことでも、いつできるのかわからないようなことでも、「実現させたい」と思えば決して諦めることはありません。粘り強く人々を説得し、経済的な問題を解決するために動きます。大きな作品ではときにアートやデザインというよりも建築や土木のスケールになるため、綿密なプランや図面が必要になります。確実につくり上げ、安全性を確保するための技術的な課題にも徹底的に取り組んでいるのです。その結果、着想から完成まで数十年という長い年月がかかることもあります。その間、新たに別の問題が持ち上がってくることも珍しくありません。それでも彼らはさまざまな困難に対して「何か解決策があるはずだ」というポジティブな姿勢で立ち向かうのです。

彼らはなぜ、「そこまでやる」のでしょうか? 本展の参加作家、クリストとジャンヌ =クロードは「自分たちが見てみたいから」というとてもシンプルな動機だと答えます。純粋な美を追求することで作者自身が喜びを得る。それが作品を見る人にも伝わってみんなが笑顔になる。難しい顔をして「アートとは」「デザインの役割とは」などと大上段に構えることなく、もっと直観的に、身体で作品を楽しむことができるのです。

大がかりな作品はときに、制作の過程でアートやデザインとは無縁の人々を巻き込むこともあります。作品を完成させるためにアーティストやデザイナー以外の人々が実際に手を動かしたり、機械を操ったりして協力するのです。つくるプロセスに関わることで普段とは違う思考や筋肉を使うことになるでしょう。また規模にかかわらず、人の手による膨大な作業を積み重ねて完成に至る作品もあります。そこには作家や作業に参加した人の手の跡と、濃密な時間が蓄積されています。

こうして完成した型破りなプロジェクトは見る人の心を動かし、揺さぶります。思いもよらないことが行われている、そのことを目のあたりにすることで私たちの中の “何か”を変えてくれます。それは壮大で途方もなく、ときにばかばかしいとさえ思えます。しかし、常識を大きく逸脱したアイデアやプロジェクトだからこそ、私たちの中に勇気と希望がわいてきます。あらゆることに何か別の考え方があるのではないか、新しい方法論が見つかるのではないかという思いです。こんな経験をした後は、それまで当たり前だと思っていた価値観や常識が変わるのを感じるはずです。その効果はすぐに現れるものもあれば記憶となって残り、気がつかないうちにじわじわと浸透して何年も続くものもあるでしょう。強い意志を持ったつくり手の情熱が私たちに発見と喜びを生み出します。人々に幸せをもたらし、ものと人、人と人との新たな関係性をつくり出してくれるのです。

------ 青野尚子 ------

 


【開催概要】
21_21 DESIGN SIGHT企画展「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」
会期:2017年6月23日(金)~10月1日(日)
休館日:火曜日
開館時間:10:00.19:00(入場は 18:30まで)
入場料:一般 1,100円、大学生 800円、高校生 500円、中学生以下無料
会場:21_21 DESIGN SIGHT
        東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団 助成イスラエル大使館、オーストリア大使館           /オーストリア文化フォーラム、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
特別協賛:三井不動産株式会社
協賛:戸田建設株式会社
展覧会ディレクター:青野尚子 クリストとジャンヌ=クロード
企画構成:柳 正彦
会場構成:成瀬友梨/猪熊 純/本多美里(成瀬・猪熊建築設計事務所)
展覧会グラフィック:刈谷悠三/角田奈央(neucitora)
参加作家:クリストとジャンヌ=クロード、ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ、ヌーメン/フォー・ユース、ダニ・カラヴァン、ジョルジュ・ルース、西野 達、他
http://www.2121designsight.jp/program/grand_projects/

 

 

 

 

21_21 DESIGN SIGHT 21_21 DESIGN SIGHT

 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
 TEL: 03-3475-2121
 http://www.2121designsight.jp/

 

 

 

 

 

 

(文:21_21 DESIGN SIGHT  /  更新日:2017.05.20)

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