21_21 DESIGN SIGHT 企画展「デザインの解剖展」開催

 

 

21_21 DESIGN SIGHT企画展
「デザインの解剖展: 身近なものから世界を見る方法」 開催

 

21_21 DESIGN SIGHTでは、2016年10月14日より、企画展「デザインの解剖展: 身近なものから世界を見る方法」を開催いたします。

「デザインの解剖」は、グラフィックデザイナーの佐藤 卓が2001年より取り組んでいるプロジェクトで、身近な製品を「デザインの視点」で解剖し、各製品の成り立ちを徹底して検証する試みです。

私たちは日々、数え切れないほどの多くの製品に囲まれて生活しています。大量に生産された品はあたり前の存在として暮らしに溶け込んでいますが、実は素材や味覚、パッケージなど、製品が手に届くまでのあらゆる段階で多様な工夫が凝らされています。それらをつぶさに読み解いていくのが「デザインの解剖」です。本来の「解剖」が生物体を解きひらき、構造や各部門の関係、さらには条理を細かに分析していく行為であるように、ここではデザインを解剖の手段として、とりあげる製品のロゴやパッケージのレイアウトや印刷などのグラフィックを解析し、製品の内側の仕組みまで細かな分解や観察を重ねます。

 

 

|   これまでの「デザインの解剖」一覧
これまでに佐藤 卓が手がけた「デザインの解剖」を通して、解剖の視点や手法を学ぶことのできるセクション。 「要素を細切れにして一つ一つを分析する」ことや、「あらゆる情報を観察する」ことなど、解剖の方法を来場者と共有します。
 


Photo: Ayumi Okubo / parade-inc.

「デザインの解剖2: 富士フイルム 写ルンです」
 2002年5月15日- 6月10日 松屋銀座デザインギャラリー1953
 

 

 


 

「デザインの解剖2: 富士フイルム 写ルンです」
2002年5月15日- 6月10日 松屋銀座デザインギャラリー1953
 

 

 

 


Photo: Ayumi Okubo / parade-inc.

「デザインの解剖4: 明治乳業 明治おいしい牛乳」
2003年8月13日- 9月8日 松屋銀座デザインギャラリー1953
 

 


 


Photo: Yasuhito Yagi / parade-inc.

「デザインの解剖: ISSEY MIYAKE A-POC BAGUETTE」
「なんなの? A-POC ISSEY MIYAKE +  FUJIWARA DAI」展
2003年9月10日- 10月5日 AXISギャラリー

 

これまでに「ロッテ キシリトールガム」、「富士フイルム 写ルンです」、「タカラ(現:タカラトミー) リカちゃん」、「明治乳業(現:明治) 明治おいしい牛乳」、「ISSEY MIYAKE A-POC BAGUETTE」などの製品が解剖され、それぞれ一般的に紹介されることのなかった部分が引き出されてきました。原料や製法、製品管理から流通に至る幅広い要素が掘り下げられることで、私たちが知っていると思いながら、知らない多くのことに気づくきっかけをもたらしています。また、佐藤 卓が教鞭をとった武蔵野美術大学 デザイン情報学科では教育プログラムの一環としても、身近な品々の解剖が続けられてきました。

 

 

 

|   デザインの解剖

本展では、解剖対象として「株式会社 明治」の5つの代表製品を取り上げ、 様々な視点から、参加作家とともに製品を解剖し、社会における企業の役割を再発見します。


Photo: Ayumi Okubo / parade-inc
きのこの山:きのこの山 たけのこの里 断面図

 

解剖対象:きのこの山

きのこの形をしたチョコレート菓子。この製品を30項目以上で解剖。パッケージの素材、印刷の情報、商品の原材料、流通時の箱の中の動きや、製造過程で生まれる個体差といった、普段は可視化されない要素まで幅広く解剖する。

 

 

 


Photo: Ayumi Okubo / parade-inc.
明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン:カップの形

 

解剖対象:明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン

ブルガリアから輸入された菌を使用したプレーンヨーグルト。密封が出来るように形成されたパッケージや、ヨーグルトの物性を考慮して運搬できる仕組みなどを解剖。また、腸内の善玉菌、悪玉菌に対する製品の働きも紹介する。

 

 

 

 


明治ミルクチョコレート:香り

 

解剖対象:明治ミルクチョコレート

日本で初めて工業生産されたミルクチョコレート。"板チョコ"と呼ばれ親しまれているこの製品が、どのように現在のかたちとなったかを解剖する。また製品パッケージに付属するドット文字などを通して、製造から流通に至るまでの工夫を発見する。

 

 

 


明治おいしい牛乳:ロゴタイプ

 

解剖対象:明治おいしい牛乳

発売から16年目を迎える牛乳。2003年の「デザインの解剖」から変化のあった流通やパッケージのほか、賞味期限の表示、リサイクルマークや品質表示などを解剖する。

 

 

 

 


Photo: Ayumi Okubo / parade-inc.
明治エッセルスーパーカップ:スプーン

 

解剖対象:明治エッセルスーパーカップ

カップに入ったアイスクリーム。要冷蔵製品の製造や流通のプロセスのほか、温度や舌触り・まろやかさにも着目。また、紙を細かく折ることで形成されたカップの特徴も解剖する。
 

その他、参加作家には、様々な分野で活躍する若手のクリエイターを招き、子どもから大人まで楽しんでいただける展覧会を目指します。本展は、製品を取り巻く世界はもちろん、社会、暮らしとデザインの関係について、さらにはデザインの役割や可能性について、改めて深く考察する機会となることでしょう。

 

 

 

 

|   ディレクターズ・メッセージ


佐藤 卓 Taku Satoh

解剖は通常、人体や動物に対する行為ですが、ここでは人工物を扱います。それではなぜ、人工物に対して「解剖」なのでしょうか。20世紀、機械生産技術の進歩によって大量生産品が世界中にあふれるとともに、温暖化やゴミなど環境への対応が、どこの国や地域でも社会的に大きな課題になりました。しかし、社会のインフラと言っても過言ではない大量生産品は、私達の生活にはもはや必需品でもあります。近代になって急激に増加している世界の人口を支えていくためには、効率良く、環境にできるだけ負荷を掛けず、大量生産品を流通させる必要があることを、今や否定はできないでしょう。とかく環境問題となると、煙突から煙をあげる工場や、多くのゴミを出す大量生産品が問題視されがちですが、私達はその裏側で何が起こっているのかを、実はほとんど知りません。

商品開発や大量生産品のパッケージデザインを多く手掛けるようになって、ある時、デザインの視点でものを外側から内側に向かって解剖するというプロジェクトを思いつきました。デザインという言葉には、形や色といった目に見える視覚的印象が強くありますが、もともと「設計」という重要な意味が含まれます。例えば食品の場合、味や口の中での感触も設計されているのであれば、それもデザインなのではないだろうか。ものを解剖するというイメージを頭に描くと、このような疑問が次々に湧いてきました。デザインを、ものを見るための方法としてとらえること。つまりものや環境を理解するために、デザインをメスにすることができるのではないだろうかと思ったのです。全ての物事に何かしらのデザインが内在するのであれば、必ずデザインを頼りに解剖ができるはずなのです。

ものづくりの現場がブラックボックス化して、生活者にとって商品が急激に記号化されていくと、その裏側で何が起きているのかが分からなくなります。ものづくりの裏側を知らないから、大切に使おうという気持ちや愛着も生まれないまま、まだまだ使用できるものを捨ててしまう。捨てたものが、その後どう処理されているのかも分かりません。来し方行く末を何も知らされないのが現代社会なのです。そして、何よりも経済だけが豊かさの指標になってしまっているがゆえに、デザインが経済の道具として理解されることが多くあるばかりか、つい経済と文化を分けてとらえがちです。しかし、実はデザインには経済と文化をうまく繋ぐ力があるのです。

この展覧会では、ごく日常生活に馴染んでいるものを、デザインの視点で解剖し、展示解説いたします。この「デザインの解剖展」が、解剖的視点でものを見る目を少しでも養う手助けになれば幸いです。

佐藤 卓

 

 

佐藤 卓 プロフィール
1979年東京藝術大学デザイン科卒業、1981年同大学院修了、株式会社電通を経て、1984年佐藤卓デザイン事務所設立。「ニッカ・ピュアモルト」の商品開発から始まり、「ロッテ キシリトールガム」や「明治おいしい牛乳」などの商品デザイン、「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」のグラフィックデザイン、「金沢21世紀美術館」、「国立科学博物館」、「全国高校野球選手権大会」等のシンボルマークを手掛ける。また、NHK Eテレ「にほんごであそぼ」アートディレクター、「デザインあ」の総合指導、21_21 DESIGN SIGHTディレクターを務めるなど多岐にわたって活動。著書に、「クジラは潮を吹いていた。」(DNPアートコミュニケーションズ)や「JOMONESE」(美術出版社)、「真穴みかん」写真集(平凡社)など。

 

 

 

 

 

 

【開催概要】
会期:2016年10月14日(金)- 2017年1月22日(日)
休館日:火曜日、年末年始(12月27日-1月3日)
開館時間:10:00 - 19:00(入場は18:30まで)
*10月21日(金)、22日(土)は六本木アートナイト開催にあわせ、特別に22:00まで開館延長(入場は21:30まで)
入場料:一般1,100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
*15名以上は各料金から200円割引
*障害者手帳をお持ちの方と、その付き添いの方1名は無料
その他各種割引についてはご利用案内をご覧ください
主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
後援:文化庁、経済産業省、港区教育委員会
特別協賛:三井不動産株式会社
特別協力:株式会社 明治協力:株式会社ニコンインステック、武蔵野美術大学、株式会社 佐藤卓デザイン事務所
展覧会ディレクター:佐藤 卓
企画制作協力:岡崎智弘
会場構成協力:五十嵐瑠衣
技術協力:橋本俊行(aircord)
テキスト:下川一哉、杉江あこ、神吉弘邦、高橋美礼、土田貴宏、廣川淳哉、渡部千春
展覧会グラフィック:佐藤卓デザイン事務所
参加作家:荒牧 悠、aircord、奥田透也、小沢朋子(モコメシ)、佐久間 茜(文字なぞり部)、柴田大平(WOW)、下浜臨太郎、菅 俊一、鈴木啓太、高橋琢哉、中野豪雄、原田和明、細金卓矢

 

 

 

 

 

 

21_21 DESIGN SIGHT 21_21 DESIGN SIGHT

 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
 TEL: 03-3475-2121
 http://www.2121designsight.jp/

 

 

 

 

 

(文:インテリア情報サイト編集部-9  /  更新日:2016.10.08)

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