Bunkamura ザ・ミュージアム あべのハルカス美術館 「クマのプーさん展」 開催


 

 

東京、大阪 2つの会場にクマ プーさんがやってくる
Bunkamuraザ・ミュージアム あべのハルカス美術館
「クマのプーさん展」 開催

Exhibition organised bythe Victoria and AlbertMuseum, London.

 

 

2019年2月9日(土)~4月14日(日)の期間は Bunkamura ザ・ミュージアム、2019年4月27日(土)~6月10日(日)の期間はあべのハルカス美術館にて「クマのプーさん」展を開催します。母国イギリス(ロンドン)とアメリカ(アトランタ、ボストン)を巡回しついに日本で開催となりました。


食いしん坊でおっちょこちょい、いまでは誰もが知る世界一有名なクマ「プーさん」は、1926年にイギリスで生まれました。物語を書いたA.A.ミルンと、イラストを描いたE.H.シェパード。ふたりの共作によって生まれた機知とユーモアあふれる世界は、いまも世界中の人々を魅了し続けています。シェパードが鉛筆で描いたプーさんの原画を世界最大規模で所蔵するイギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)から2019年、「クマのプーさん展」が日本にやってきます。

 

作者 アラン・アレクサンダー・ミルン
Alan Alexander Milne (1882-1956)


A.A.ミルン、クリストファー・ロビン・ミルンおよびプー・ベア
ハワード・コスター撮影、1926年
©National Portrait Gallery, London.

 

 

挿絵画家 アーネスト・ハワード・シェパード
Ernest Howard Shepard (1879-1976)


E.H. シェパード、 ハワード・コスター撮影
1932年 ノラ・シェパード夫人より寄贈 
© National Portrait Gallery, London.

 


ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
Victoria and Albert Museum, London

英国ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(略称V&A)は、5千年にわたる人類の創造活動を紹介する、芸術、デザインおよびパフォーマンスの分野で比類ないコレクションを有する世界屈指の博物館です。誰もが展示品を鑑賞できる環境を提供し、また英国のデザイナーや製造業者にインスピレーションを与えたいとの思いのもと、1852年に設立されました。今日、その目指すところは、クリエイティブな産業を守り助け、次世代にインスピレーションを与え、人々の想像力をかきたてることにあります。
https://www.vam.ac.uk/


 

 

|  展覧会のみどころ

みどころ ① V&Aによる決定版「クマのプーさん展」、待望の日本開催
1973年、「クマのプーさん」の作者のひとりであるE.H. シェパードが、270点以上にもおよぶ原画や資料をV&Aに寄贈しました。本展は、この貴重なコレクションを中心にして企画された初めての「クマのプーさん展」で、シェパードの鉛筆素描画をはじめとする作品200点以上で構成されています。

 

みどころ ② 「クマのプーさん」誕生秘話を貴重な資料で
シェパードは原画とともに、貴重な制作資料や写真、手紙などもV&Aに寄贈しました。ミルンとシェパードは、どのように世界中で愛される「クマのプーさん」を生み出したのか。そこには、ふたりとその家族の物語がありました。貴重な資料で、プーさん誕生の秘密に迫ります。

 

みどころ ③ ミルンの言葉と、シェパードの絵が響き合って生まれた名作
『クマのプーさん』(1926)と『プー横丁にたった家』(1928)。世界中を魅了する「クマのプーさん」の世界の原点は、全20編の短編からなるこの2冊の児童文学です。この物語の中でプーさんたちが暮らす「百町森( 百エーカーの森)」は、ロンドン郊外にいまもある「アッシュダウンの森」がモデルとなっています。この森を舞台に繰り広げられる冒険の数々の名場面を、シェパード直筆の原画でご紹介します。

 

みどころ ④ アートとしての「クマのプーさん」
最終的に本として印刷されるにあたっては、言葉と絵がどのように配置されるかというページレイアウトにもこだわったふたり。シリーズの初版本から、独創的で遊び心に満ちた画面で読者を魅了しました。1926年に出版されて以降、50以上の言語に翻訳され、全世界で5000万部以上のシリーズ本が出版されている「クマのプーさん」。展覧会では、今まで気がつかなかったその魅力の奥深さをアートの視点からも紐解いていきます。

 

 


|  第1章  さて、お話ははじまります - We are Introduced

本展では、原画でたどるプーと仲間たちの名場面の数々と原文の日本語訳および登場人物の名称を『クマのプーさん』『プー横丁にたった家』( 岩波書店刊、石井桃子訳)に基づいて記載しています。

 


「ハチのやつ、なにか、うたぐってるようですよ」、『クマのプーさん』第1章
E.H.シェパード、鉛筆画、1926年
V&A所蔵 © The Shepard Trust


「つまり、こういうことなんです。」と、プーはいった。
「風船でハチミツをとるにはね、ハチミツをとりにきたってことを、
ミツバチに知られないようにするのが、だいじなことなんです。」


――『クマのプーさん』第1章
「わたしたちが、クマのプーやミツバチとお友だちになり、さて、お話ははじまります」より

 

 

物語の舞台「百町森」のモデル――アッシュダウンの森
1925年から、ミルン一家は、イーストサセックスのハートフィールドにあるコッチフォード・ファームで、週末を過ごすようになりました。クリストファーは、近くのアッシュダウンの森を含む家の周囲を、降っても照っても、探検するようになりました。しかし、彼の「てんけん」*のはじまりは、庭の大きなクルミの木でした。お茶の時間になると、クリストファーは家に戻って、冒険してきたことを話しました。それがもとになって、『クマのプーさん』『プー横丁にたった家』の2冊が生まれたのです。
 

* ミルンは原文でexposition をexpotition とわざと誤ったスペルで記載しています。プーの物語に多数見られる、ミルンの言葉遊びです。翻訳者の石井桃子は、この原文をもとに「探検」を「てんけん」と翻訳しました。

 


百町森の地図、『クマのプーさん』見返し用のスケッチ
E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵
© The Shepard Trust. Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London
 

ミルンとシェパードは、協力して、「百町森」の地図を作りました。クリストファー・ロビンやプーや仲間たちの世界の、主だった場所を記した地図です。挿絵は、実在の場所に基づいているのが肝腎だと、ミルンは思っていました。


森はいつでもそこにあります……。
そして、クマと仲よしのひとたちなら、
だれでもそれを見つけることができるのです。

――『プー横丁にたった家』ミルンの前書き「ご解消」より

 

 

 

 

|   第2章  お話は、どうかな? -What about a Story?

クリストファー・ロビンが、おやすみまえのおはなしを聞こうと、しずかに暖炉の前に座っているとき、父親のA.A.ミルンは、目の前の幼い男の子を見ると同時に、自分の幸せな子ども時代もふりかえっていました。これらのシンプルなお話は、遊び心たっぷりの空想から出たものですが、日常に深く根ざしたものでもありました。テーマは子ども時代、ちょっとした事件や思いちがい、仲良しとけんか、冒険と問題解決、読み書き計算を学ぶことなどでした。

 

息子クリストファー・ロビンとそのぬいぐるみがお話のモデル
クリストファー・ロビン・ミルンは、父A.A.ミルンと母ダフネの間に生まれた一人っ子でした。「クマのプーさん」、あるいは縮めて「プー」と呼ばれていたのは、手足が長く、おなかを押すとうなり声をたてる大きなぬいぐるみのクマで、クリストファー・ロビンのお気に入りでした。子ども部屋には、ほかにもプーの仲間がいて―― 最初がイーヨー、それからコブタ、カンガとルー、トラーが加わりました。遊んでいるクリストファーをみながら、父親は彼らの冒険を記録していきました。ミルン一家が週末をすごす家に近いアッシュダウンの森が、クリストファーの探検の舞台となりました。シェパードもここを訪れ、森やクリストファーのおもちゃをスケッチしました。しかし、彼の絵は、自身の息子グレアムと、そのおもちゃのクマ、グラウラーからヒントを得ています。


「バタン・バタン、バタン・バタン、頭を階段にぶつけながら、クマくんが二階からおりてきます」
『クマのプーさん』第1章、E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵
© The Shepard Trust

『クマのプーさん』の冒頭で、クリストファー・ロビンは、クマをつれて2階からおりてきて、おとうさんにお話をせがみます。そこでミルンは、森で経験したいくつもの冒険のひとつを話してやります。お話が終わると、階段は、お風呂とベッド、つまり現実の世界へもどる、象徴的な存在になります。


「おふろにはいるクリスロファー・ロビン」
『クマのプーさん』第1章、E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵
© The Shepard Trust. Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London

 

 

 

 

|  第3章  物語る術 The Art of Narrative

シェパードは、書かれた物語を解釈し、生き生きとした画像に変える天才的な能力を持っていました。それが本の成功の鍵だったのです。またとない技法を備えた画工であり、鋭い観察者で、どんな細かなディテールにも気を配るシェパードは、ミルンと並んで、プーの生みの親でありました。

シェパードの絵では、いきいきとしたペンの運びと大胆な空間使いが、うまくひとつになっています。白い空間が多いことで、太さも様々な線で描かれたカラマツの雑木林の姿が、際立って見えます。シェパードの意図したとおり、私たちは、ふたりの友だちが林のまわりをぐるぐる回るというミルンの話に、注意を惹きつけられるのです。


「プーを穴からひっぱり出す」、『クマのプーさん』第2章
E.H.シェパード、鉛筆画、1926年 V&A所蔵
 © The Shepard Trust. Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London

 

クリストファー・ロビンが、プーの前足をつかまえ、
ウサギがクリストファー・ロビンにつかまり、それから、
ウサギの親せき友人一同が、総出で、ウサギにつかまり、
みんなが、いっしょにひっぱりました。

――『クマのプーさん』第2章
「プーがお客にいって、動きのとれなくなるお話」より

 

 


「おいでよ、トラー、やさしいよ」、『プー横丁にたった家』第4章
E.H.シェパード、鉛筆画、1928年、V&A所蔵
© The Shepard Trust. Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London


「ああう!」と、トラーは、わきをとんですぎる木を見ながら、どなりました。
「気をつけろ!」とクリストファー・ロビンがみんなにさけびました。

――『プー横丁にたった家』第4章
「トラーは木にのぼらないということがわかるお話」より

 

 

 


「 グングン、くつをひっぱったので……」、『クマのプーさん』第8章
E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵
© The Shepard Trust
 

クリストファー・ロビンは、玄関のまえに腰をおろして、長ぐつをはいているところでした。
その長ぐつを見るやいなや、これはなにか冒険がはじまるな、と、プーはさとりました。

――『クマのプーさん』第8章より

 

 


「プーとコブタが、狩りに出て…」、『クマのプーさん』第3章
E.H.シェパード、ペン画、1926年、 クライブ&アリソン・ビーチャム・コレクション
© The Shepard Trust

 


「ながいあいだ、三人はだまって、下を流れてゆく川をながめていました」、『プー横丁にたった家』第6章
E.H.シェパード、鉛筆画、1928年、 ジェームス・デュボース・コレクション
© The Shepard Trust

 

「プー、ぼくのことわすれないって、約束しておくれよ。
ぼくが百になっても。」

―― クリストファー・ロビンのことば『プー横丁にたった家』第10章より

 

 

 

 

| 第4章 プー、本になる - Pooh Goes to Print

『クリストファー・ロビンのうた』(1924年)、『クマのプーさん』(1926年)、『クマのプーさんとぼく』(1927年)そして『プー横丁にたった家』(1928年)は、クリストファー・ロビン本として知られるようになりました。1928年には、これらの本は、「児童文学におけるユニークな地位」を獲得していました。後に、安価なペーパーバックが出回るようになり、読者はますます広がっていきました。カラー版も出始めました。以後、絶版になったことはなく、世界の児童書の中でも、もっとも愛される本のひとつであり続けています。
 


『クマのプーさん』初版本、1926年; メシュエン社によりロンドンにて出版; ジャロルド&サンズ社印刷、
V&A内ナショナル・アート図書館所蔵
© Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London


1970年に、フランク・ハーマンは、シェパードの白黒の挿絵に、彩色しようと決めました。当時、シェパードは90代になっていて、視力も衰えてきていました。そこで、彼は、原画を特別に拡大したものに水彩で彩色していきました。

 

 

「枝には、ハチミツのつぼが10ならんでいて、そのまんなかに、プーが…」、『クマのプーさん』第9章、
E.H.シェパード、ラインブロックプリント・手彩色、1970年 英国エグモント社所蔵
© E.H. Shepard colouring 1970 and 1973
© Ernest H. Shepard and Egmont UK Limited
 


テディ・ベア、マルガレーテ・シュタイフ社製造、1906-1910年頃、モヘアのぬいぐるみ
Z. N.ジーグラー氏より遺贈、V&A子ども博物館所蔵
© Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London
 

このシュタイフ社のぬいぐるみは、E.H.シェパードの息子のグレアムがもっていたクマのグラウラーに似ています。ドイツのぬいぐるみメーカーのシュタイフ社は、1902年に最初のテディベアを作ったことで知られています。

 

【開催概要】

東京会場
開催期間:2019年2月9日(土)~4月14日(日)
休館日 2月19日(火)、3月12日(火)
開館時間:10時-18時 毎週金・土曜日は21 時まで(入館は各閉館の30 分前まで)
入館料:http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/19_pooh/information.html
主催: Bunkamura、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、朝日新聞社、フジテレビジョン
会場: Bunkamura ザ・ミュージアム
         東京都渋谷区道玄坂2-24-1 → map
お問い合わせ: 03- 5777- 8600 (ハローダイヤル)
http://www.bunkamura.co.jp


大阪会場
開催期間:2019年4月27日(土)~6月10日(日)
休館日:5月13日、20日、27日の各月曜日
開館時間:火~金:10時-20時、月土日祝:10 時-18 時(入館は各閉館の30分前まで)
入館料:https://www.aham.jp/exhibition/future/pooh/
主催:あべのハルカス美術館、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、朝日新聞社、関西テレビ放送
会場:あべのハルカス美術館 
        大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16 階 → map
お問い合わせ:06- 4399- 9050 (あべのハルカス美術館)
https://www.aham.jp/ 


協力/ウォルト・ディズニー・ジャパン、東京こども図書館、日本航空、岩波書店
公式HP/ https://wp2019.jp


 

(文:制作 PR-M _PR制作部-1  /  更新日:2019.01.31)

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