家の中、街の中でもぐる〜っと見渡せば、そこにはほとんど電灯があって暗くなると「光」を放ち続けています。
もう私たちの暮らしの中で「電灯」は欠かせないものになっています。
さて今回は数種類ある光源の中で、最もポピュラーで身近な「白熱灯」についてのお話をしたいと思います。
「地球温暖化抑止」が世界共通テーマとなる中、エネルギー効率が低いことなどから国内の電器メーカー各社が一斉に生産中止の方向に向かっている白熱灯。
でも白熱灯ってそんなに「悪」なんでしょうか?.....個人的には一番好きな光源ですけれど。
白熱灯は、みなさんご存知のように発明王トーマス・エジソンによるものですね。あれから120年が経ちますが、発光の原理は当時のままです。
真空状態のガラス球の中でフィラメント(竹をあらかじめ燃やして炭化させたもの)に電気を通し、発生した熱(燃焼)で明るさを得るという仕組み。
そんな昔ながらの原理ですから消費電力の視点からみる白熱灯の効率は決してよくありません。蛍光灯は白熱灯の1/6の電力で同等の明るさを確保できるそうです。
ただ白熱灯の技術進歩により、もうひとつの弱点であった定格寿命(明るさが新品の70%まで低下するまでの時間)が短いという点は、球内部を真空状態ではなくクリプトンガスやハロゲンガスなどの特殊なガスを封入してフィラメントの燃焼時間を延命することに成功しています。今では定格寿命は2000時間〜3000時間と言われています。後発の蛍光灯は長いもので10000時間、最近話題のLEDは40000時間以上とも半永久とも言われており、それらと比較すると寿命が短い光源と言えます。ただ白熱灯は調光器を合わせて使用することで使用時の電圧を下げられるため、80%調光で2倍の定格寿命を得られ、同時に使用電力も削減することができるというデータがあります。また定格寿命が長い蛍光灯や放電灯、LEDなどは100Vの電源を直接使うことができないため、安定器や変圧器を使用しなければなりません。光源自体の定格寿命よりも機械の故障などによって機器の寿命が短くなってしまうリスクがあることを忘れないようにしなければならないですね。
さて次は白熱灯のメリットについてお話ししましょう。
(文:インテリア情報サイト編集部-6 / 更新日:2010.01.20)