リノベーション体験記vol.1―中古住宅を買う前に

リノベーション体験記

 

リノベーション体験記vol.1―中古住宅を買う前に


「築25年マンション、95㎡、眺望よし、東南東向きの角部屋」という物件をリノベーション前提で購入したインテリア情報サイト編集部スタッフK一家の、家が完成するまでのリノベーション体験記。

最近はバラエティー番組でも普通に使われる「リノベーション」という言葉。中古の物件を格安で手に入れ、自分のライフスタイルにあった形に改造する、という考え方は今や普通のものと言えるでしょう。

この記事ではマンションのリノベーションの一例として、スタッフKが体験談を綴っていきます。
 


 

image1(1).jpg「中身は私の好きなように変えさせてもらうから!!」

家を買おう、という話になった時、私が夫に放った第一声がこれです。
今は平凡な賃貸マンション住まいでも、いつか思い通りの素敵な家を作って、そこで心豊かに暮らしたい。インテリア好きならそう思うのは自然ではないでしょうか?

私の傍若無人な宣言に対し、夫は
「…いいよ。それで君が満足できるなら…」
と、目をそらしたまま呟きました。おそらくそうするほかなかったのでしょう。
ともかくこの瞬間、わが家のリノベーション計画の幕が切って落とされたのです。
 

さいわいわが家は、探し始めてからわずか2か月でよいと思える物件と出会うことができました。
高台に立つ11階建てマンションの8階角部屋。窓がとても多く、3方向から日射しがふんだんに入ってきます。建物は築25年とある程度古いものの、共用部分は掃除が行き届いていたことも好印象でした。

「これは、縁だ」私たちはそう確信し、その場で購入をほぼ決めました。
しかし、契約書にはんこを押す前にやっておきたいことが私にはありました。

それは「住宅診断(ホームインスペクション)」。
今回はこの「住宅診断」について少し説明したいと思います。最初から話が硬くなってしまいますがお付き合い下さい。

 

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「住宅診断」って?


「住宅診断」とは、住宅の購入前に「ホームインスペクター」と呼ばれる専門家が、素人には分かりにくい住宅の劣化状況や欠陥の有無をチェックし、修理すべき箇所、時期などを中立的な立場で教えてくれるというもの。

私たちが診断を依頼した会社の場合、チェック項目は中古マンション診断の場合でざっと100以上。例えば、

 

・壁、柱、梁、床、天井のひび割れ、はがれ、欠損、腐食、かび、水染み跡、(床の)きしみ、鳴り等
・床下配水管の漏水、給水の極端な吐水量不足、水の変色、給湯器からの漏水跡、給水管の材質・耐久性、排水不良
・ つまりの有無等
 (給排水については、前の住人が居住中で協力してもらえるなど水を出しての検査ができる場合に
チェックできます。)
・換気設備の極端な給排気量不足、ダクト接続不良、火災報知機の有無等
・バルコニー・テラス・玄関ポーチの外壁仕上げのひび割れ、はがれ、欠損、浮き、変退色、隙間、白華現象の有無等
・防犯対策(玄関ドアや窓の鍵の数・仕様、ガラスの仕様)、リフォームのしやすさ(床・天井の工法、排水管の位置)等

 

…などなど。
全てはとても書けませんが、とにかく気が遠くなるほどたくさんのポイントを細かくチェックしてもらえます。ちなみに一戸建ての場合はさらに建物の構造に関わることまで、小屋裏や床下などに入り込んで見てもらったり、場合によっては特殊な機材を使って壁の中の間柱や筋交いなどまでチェックしてもらうこともできます。


 

「安心」と「心構え」のために、住宅診断はおすすめ


さて、診断してもらった結果私たちはこんな情報やアドバイスを頂きました。  

生活の支障となるような大きな不具合はない。
ただし、
1.洗面所とトイレの床下地が腐っているので交換が必要。
2.ガス給湯器は使用開始後9年経っており、一般的な耐用年数10年に近づいているので、この機会に変えた方がよい。
3.給水管は金属製。キッチンの移動など配管の変更を含む工事をするなら、腐食の心配のない樹脂製への変更がおすすめ。
4.キッチンの排水横引き管は、床スラブを貫通して下階住戸の天井裏に施工されている(古いマンションによくあるタイプ)。
水漏れなどトラブルがあった場合は下の家に被害が及ぶので、水漏れによる損害を補償してくれる火災保険への加入を考えるのがおすすめ。
5.床は二重床で空洞がある。床面からスラブ表面までは8センチほど。

 

image2(1).jpg契約前に、プロの目線で客観的に住戸の状況をチェックしてもらうことで、補修が必要な箇所を入居前に知ってしっかり工事に組み込むことができました。またリノベーションでやりたいことが問題なくできる物件かどうかも、おおまかにですが前もって知ることができました(これについてはのちにまたお話します)。

 

「欠陥住宅」をつかまないために。入居後に出てくるかもしれないトラブルを減らし、すぐに対処できないところについても「将来こうなるかも」という知識を持っておくために。そして、メンテナンスをしながらちゃんと住み続けるために。
住宅診断をしてもらったことはいろいろな意味で正解だったと思います。

 

築30年や40年といった古いマンションが、ライフスタイルにあわせおしゃれにリノベーションして住める「ヴィンテージマンション」として注目されています。空き家率の上昇が問題となり、中古住宅の活用が国の課題ともなっていることを考えると、今後この傾向はブームを超えて定着していくと言ってよいでしょう。だからこそ、住宅診断のようなサービスがもっと普及していくことが大切ではないでしょうか。
 

次回はリノベーションにあたってのイメージや要望について、その中でも最も大切なポイントだった「マンションの床に無垢のフローリングを敷くこと」について少しお話してみたいと思います。

 

 

 

※この記事は中古のマンションをリノベーションしたインテリア情報サイト編集部スタッフの執筆によるものです。

記事監修 矢野 恵子

住宅リフォーム会社勤務を経て1993年独立。2000年有限会社アトリエケイアンドワイ設立。住宅・店舗の企画デザイン設計業務の傍ら、会社設立と同時に業界育成事業インテリアデザインスクールを開校(2016年閉校)。2009年より長年のインテリア業界での経験を活かした情報と最新情報を発信するWEBサイト「インテリア情報サイト」をオープン。現在、執筆やインテリア系企業のコンサルタント業務を中心に活動する。

インテリア情報サイト編集長。

(文:インテリア情報サイト編集部-1  /  更新日:2014.06.02)

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